ポルノグラフィティが21日、横浜スタジアムでメジャーデビュー15周年記念ライブを行った。

 前日20日がギター新藤晴一の40歳の誕生日で、来月15日にボーカル岡野昭仁が40歳になることから「惑ワ不(まどわず)ノ森」と名付けた公演。岡野は「『四十にして惑わず』という言葉もあるけど、自分は迷って惑うばかり。みんなに背中を押してもらって、この森を抜けたい」と感謝のあいさつ。約3万人のファンも、1曲目の「アポロ」からオールスタンディングで15周年を祝福した。

 「優柔不断の自分は惑ってばかり。移り気という花言葉の花があります。そう、次の曲は『ダリア』です」

 岡野の定番となった曲紹介トークも絶妙で何度も会場の笑いを誘った。口数の少ない新藤も「皆さん、どう見ても今日はやるしかないんじゃないでしょうか。そんな夜は『やるっきゃナイト』と言います。いいですか?」と訴えて盛り上げた。

 08年の同所ライブは大雨で楽器が故障してしまったほど。岡野は「豪雨の中でも、だれも帰る人がいなかったし、マイクが故障すればみんなが代わりに歌ってくれた。あの時に『これなら自分たちは大丈夫』と思ったんじゃ」と故郷の広島弁で振り返った。

 あれから6年。この日、15年の感謝と熱気のこもった約3時間全28曲のステージでファンとの絆はさらに強まった。アンコールでは11月発売の新曲「ワン・ウーマン・ショー」を一足早く披露した。

 いつもは球音が響く球場だが、この日ばかりは、岡野のハイトーンボイスとファンの歓声が横浜スタジアムに何度も響き渡った。15年間で12回のNHK紅白歌合戦出場を誇る実力派が、16年目に好スタートを切った。