10月に子宮体がんのため亡くなった女優中川安奈さん(享年49)のお別れの会が24日、東京・青山葬儀所で行われ、熊谷真実、岡本健一、上條恒彦ら約550人が参列した。

 夫で演出家の栗山民也氏(61)が喪主のあいさつを行い、最後のカーテンコールと語り、拍手で妻を見送った。

 栗山氏は喪主のあいさつで「亡くなって1カ月たちましたが、その間ずっと変な冗談じゃないか、そうあってほしいと願っていました。1カ月前は悲しみ、悔しさに何度も押しつぶされそうになりました。そのたびに芝居の旅公演に行っていると思うようにしてました」と心境を明かした。

 最後は「早かったなと毎日思っています。でも49年間必死に生きた安奈に対して最後のカーテンコールを皆さんにお願いしたいと思います。ありがとう安奈。拍手」と、参列者全員と拍手をして別れを告げた。

 別れのあいさつも行った友人の熊谷は「うそだといいなと思って今日来ました。フェイスブックでいつもの安奈ちゃんの様子を知り、最後のフェイスブックは10月14日で、元気でいるとばかり思っていましたので残念です。もっといっぱい話せばよかった。もっといっぱい会っていればよかった。笑顔しか思い浮かばない。お別れの言葉が見つからず、私がおばあちゃんになり、向こうに行ったら気がついてねと言いました」と目に涙を浮かべた。

 同様にお別れの言葉を岡本は「いつもすてきな時間をありがとう。また会いましょう」。上條は言葉が見つからないとし「この道」を歌って別れを告げた。

 祭壇は、栗山氏の意向で、妻がバラ園にいるようにとの思いを込め、2000本の真っ赤なバラが飾られた。遺影は栗山氏が菊田一夫演劇賞を受賞し、4月の授賞式に代理で出席した際の写真という。

 阿部寛、安蘭けい、市村正親、北村有起哉、佐野史郎、高橋和也、吉田鋼太郎らも参列した。