オヤジになった元高校球児を描く映画「アゲイン

 28年目の甲子園」(来年1月17日公開)の出演者が16日、西宮市の阪神甲子園球場を訪問。

 劇中でも取り上げられている元球児の祭典「マスターズ甲子園」のイベントに参加した。訪れたのは主演の中井貴一(53)柳葉敏郎(53)工藤阿須加(23)波瑠(23)で、夫婦、親子、友人同士などで行う“甲子園キャッチボール”を楽しんだ。

 最もテンションが高かったのは、草野球に熱中している柳葉。4人そろってスタンドにマイクであいさつした時は「最高です!」を連発した。学生時代は6年間、ソフトテニス部だったというが「甲子園は日本人にとって、特別、文化。1年前に仕事とはいえ、このマウンドに立たせてもらって光栄でした」と満面に笑みを浮かべていた。

 野球に全く縁がなかった中井は「最初にこの映画のお話をいただいたときは、すぐに『お断りします』と監督に伝えた」というが、オファーを受けてみて甲子園を実感した様子。「昨年、このマスターズ甲子園を見に来て、選手よりもスタンドの応援団に目が行った。夢を追う人を、周りの人がいかにしっかり支えているか。本当に感動しました」という。「だから、マスターズは野球の大会というより“思いの大会”なんですよ。映画ではそこを伝えたかった」と話した。

 元野球部主将役の中井の高校時代を演じた工藤は、父親がプロ野球ソフトバンクの新監督・工藤公康氏なのだが、野球とは全く無縁、テニス一筋の青春を送ってきた。「野球をやったことのないシロウトというのはたたずまいでバレる。それが怖かった」。出演が決まってからは、素振りを1日500~1000本繰り返したという。

 父親については「就任を決めた後、家で『監督をやることになりました』と言われて『何の?』と返したんですが…」と冗談を交えながら「やはり野球人なんでしょう。楽しそうですから。僕は僕のできること、仕事をしっかりやって『オレも頑張ってるよ』というところを見せていきたい」と話した。