NHK紅白歌合戦の総合司会などを務めた堀尾正明アナウンサー(52)が、今月いっぱいで同局を退局することが4日、発表された。2月29日付で退職願を提出した。フリーアナとして活動することになるが、4月以降の具体的な出演番組は決まっていないという。堀尾アナは、日刊スポーツの取材に応じ「スポーツ報道に携わりたい。演劇やアナウンス教室の設立にも興味があります」と、今後について話した。

 NHKの看板アナウンサーが、新たな旅立ちを決意した。退局が発表された直後の堀尾アナは、局内で次々と職場の仲間から声を掛けられた。日刊スポーツの直撃取材に対しても、いつもの明るい笑顔で「まだ所属先も新しい仕事も決まっていません。でも、このタイミングしかないと思いました」と話した。

 フリー転身の最大の理由はスポーツ報道への情熱だ。NHKでは「サンデースポーツ」などを担当してきたが「局内では去年にスポーツ番組を卒業した身です。後輩の有望なアナウンサーたちも大勢控えているのに、もう1度やらせてほしいというのは、どうかと思った」。だが、06年のトリノ五輪、サッカーW杯は02年の日韓大会、06年のドイツ大会と取材してきた興奮は抑えられなかった。「もし、かなうのならば北京五輪に行きたい」。

 家族もスポーツ大好きで、長男優太さんは聖望学園(埼玉)ナインとして03年夏の甲子園でベスト8入りした。熱烈な阪神ファンとしても有名で、北京五輪日本代表の星野仙一監督や、東北楽天の野村克也監督との親交も深い。「サッカー部だった高校時代から日本代表岡田監督は知り合いでした」。今後は独自の人脈でフリーアナウンサーとして活躍する道を切り開いていくつもりだ。