お笑いコンビ、千原兄弟の千原ジュニア(33)が自伝小説第2弾を30日に発売する。昨年発売した「14歳」は16万部を売り上げた。最近は若手お笑い芸人の小説や自叙伝が話題になっているが、第2弾執筆は一番乗りだ。周囲の勧めで断れず、3日で書き上げたというが、自分の誕生日で2度の意識不明から目覚めた「3月30日」をタイトルにした意欲作だ。

 「本当は書きたくなかったけど、断り切れなかった」。最新作「3月30日」について、いきなりこんな答えが返ってきた。前作「14歳」は、引きこもってパジャマで過ごした悩める日々を書いた。1年で16万部を売り上げただけに、続きを、というオファーは当然だった。

 約1年で第2弾、というハイペースでの出版となった。最近では「ホームレス中学生」(麒麟・田村裕)や「陰日向に咲く」(劇団ひとり)「ドロップ」(品川庄司・品川祐)など、お笑い芸人による小説が話題になったが、第2弾は誰も書いていない。しかし、ジュニアは「特に気にならないし、読んでないですね。本業はお笑いだから『ガッツリ売れてくれな』って気持ちもないし」と、淡々と話した。

 前作の「僕」がお笑いの世界に1歩踏み出したその後から27歳までの出来事を書いた。タイトルは自分の誕生日でもあるが、2度の意識不明(急性肝炎とバイク事故)から目覚めた日から付けた。特にバイク事故で多くの人の愛を感じずにはいられなかった。「芸人はもう無理やなと思っていたのに、たくさんの人が引き上げてくれた。書くことであらためて気持ちを反芻(はんすう)して、より濃く体内に取り入れた」。それぞれの時代に「タイムスリップしながら書いた」と言うだけに、周囲の愛情を再確認したようだ。

 出版と同じように、書くスピードも速かった。これまで周囲にしゃべっていたことが頭の中で整理されているので、3日で書き上げたそうだ。ただ、恋愛のエピソードだけは別で「人にしゃべってないから、まとめるのが難しかった。女性が1人も出てこないのも変やから。編集の人に『もっと広げて』って言われました」と苦笑した。

 バラエティー番組には欠かせない存在になり、作家業も順調。27歳以降の物語にも期待するが「勘弁してください。お笑いでやってないことを形にしていきたいから」。それでも「次はフィクション」という言葉も飛び出したので、今後に注目だ。【小林千穂】