森光子(88)が9日、米寿88歳の誕生日を迎え、福岡・博多座「放浪記」で特別カーテンコールが行われた。61年の初演以来、この日で上演回数1942回。共演者や約1500人観客の「おめでとう」コールに森は「取りたくないと思っていたのに取ってしまいました。でも、うれしいことと言い聞かせてます。優しい福岡の方に囲まれ、今日は最高。『別に』と言った方がおりましたが、心から大感謝です」。遠征中のソフトバンク王監督から祝福の電話と花束も届いた。

 88年の半生は20代の肺結核入院と40代半ばの乳がん手術と肝炎、白い斑点が出る尋常性白斑病と病との闘いだったが、今は毎日150回のスクワットと自転車型トレーニング器具で健康を維持。「(誕生日なのに)誰も何歳という人がいなくて優しいと思った。『放浪記』をいつまでやるのか、どなたかに譲るのか。もうしばらくやって、もっと喜んでくれる芝居にしたい」。来年5月に東京・帝国劇場上演が決まっており、89歳の誕生日は前人未到2000回達成の「歴史的1日」になる。