巨人伊原春樹ヘッドコーチ(59)の長女伊原夏菜(なつな=22)がモデル事務所と契約した。ダンス学校などに通いながら、モデル、女優デビューも目前だ。球界屈指の「鬼コーチ」の愛娘は、早くも大器として期待される168センチの色白美人だった。

 猛暑にも涼しげにたたずむ夏菜が、モデル事務所SHREW(シュルー)と契約したのは7月初めだった。大学4年間はフラッグバトン部に所属。学内のイベントなどで演じてきた。同時に自宅のある西武線沿線の美容室の依頼でポスターなどに起用され、モデル業に興味を持つようになった。就職活動はせず、複数のホームページをチェックして選んだ同事務所にインターネットで申し込んだ。

 同事務所の高樹良江氏は「品があって、1本しんの通った強さも感じさせながら、かわいさもある。ネットの応募は数多いですが、これだけの素材は貴重です」と高く評価する。現在、女優も視野に入れながら、ダンス、ミュージカルの学校に通いながらデビューの日を待っている。

 伊原コーチは西武黄金時代を20年以上コーチとして支え、西武、オリックスで監督も経験。鋭い観察力で「ミスター三塁ランナーコーチ」「クセ盗みの達人」と称され、人気選手も遠慮なくしかり飛ばす「鬼コーチ」と選手に恐れられる。

 父が「盗みの達人」「鬼」と呼ばれることに夏菜は「びっくりしましたけど、最近は慣れました」とさわやかに笑う。父が厳しかったのは門限午後6時だった高校時代まで。今春、武蔵野大卒業前に「モデルになりたい」と打ち明けると「夢ならやってみなさい」と、ゴーサインを出してくれた。

 同じ技術を競うプロの世界に飛び込んだことに「母から聞いたのですが、父はどんなに負けていても『楽しいんだ』と言っているそうです。楽しい面も厳しい面もある。そんな世界に自分も入れるのはうれしいです」。23歳の芸能界入りは、早い方ではないが、父もコーチで21年経験を積み、監督にまでなった。「好きなことは、いつ始めても遅くないと思います」。しんの強さは父譲りだ。