【北京9月30日=林尚之】劇団四季の浅利慶太氏(75)が演出する北京人民芸術劇院公演「ハムレット(哈姆雷特)」(1~15日)の公開げいこが、北京の首都劇場で行われた。北京人民芸術劇院は52年設立の中国NO・1劇団で、外国人による演出はアーサー・ミラー「セールスマンの死」、チャールトン・ヘストン「ケイン号の反乱」などに続き4人目。公開げいこは新華社など中国メディア約40人も詰め掛ける中、演出、衣装、舞台装置、照明などすべて四季版を踏襲して行われた。

 けいこ後の会見で浅利氏は「日本語に比べて中国語はピッチも高く劇的。同じ作品なのにこんなに違うのかと思った。中国語で英国の古典をやることが新鮮だった」。ハムレット役の王斑(37)ら出演者は劇団四季のけいこ場で10日間けいこを積み、今月初めに四季の舞台スタッフが北京入りして中国側をサポートした。北京五輪で中国は金メダル獲得数トップのスポーツ大国だが、演劇は発展途上。浅利氏は「王君は僕が見てきたハムレット役者の中でもベスト3に入る。出演者のレベルは高く、充実した舞台になる」と、日中合作「ハムレット」に自信をみせた。