片岡愛之助(36)中村獅童(36)黒木メイサ(20)がシェークスピア原作の舞台に初主演することが17日、分かった。舞台「赤い城

 黒い砂」(来年4月3~5日=京都・南座、同11~26日=東京・日生劇場)で、シェークスピア原作「二人の貴公子」をもとにモダンスイマーズの人気劇作家蓬莱竜太氏が脚本を書き、演出は新国立劇場前芸術監督の栗山民也氏が担当。愛之助と獅童は正月恒例の浅草歌舞伎の常連として何度も共演しているが、黒木とは初共演となる。

 「二人の貴公子」は古代ギリシャを舞台に親友同士の騎士2人が王女に恋をしたことから敵対する悲喜劇だが、今回は蓬莱氏が大胆に翻案し骨太の人間ドラマとして生まれ変わる。架空の国を舞台に、いとこ同士で親友だった端正な顔立ちで冷静沈着、策略家のジンク(愛之助)と気骨ある無頼漢で数々の武勲を持つカタリ(獅童)が、男勝りで気高く「赤い国の魔女」と恐れられる王女ナジャ(黒木)をめぐって争い、対決する愛憎劇が展開する。蓬莱氏は「生々しい人間ドラマに作り直し、映画『ベン・ハー』のように親友であったゆえに何倍もの憎しみを募らせる様を描きたい」という。

 今年は歌舞伎だけでなく新派、映画にも出演した愛之助は「獅童さんと僕という歌舞伎役者2人、多方面で活躍の黒木さんが加わることで、どんな化学反応が起こるのか楽しみです」。つかこうへい氏の舞台などを経験し、映画、ドラマで活躍する黒木は「シェークスピア劇は初めてなので緊張しますし、役の重みを感じます」。今年は音楽劇「トゥーランドット」、本多劇場「羊と兵隊」、名作映画の舞台版「黒部の太陽」と意欲的な舞台が続いた獅童も「冒険を恐れることなく、まったく新しい『獅童』をお見せできたらと楽しみにしています」と意欲をみせている。共演は津嘉山正種、馬渕英俚可ら。

 [2008年12月18日7時0分

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