【ソウル22日=久保勇人】韓国俳優ぺ・ヨンジュン(37)が当地の国立博物館で、著書「韓国の美をたどる旅」の出版会見を行った。背中まであった長髪を、約3年半ぶりに襟にかかるぐらいまで切り、黒いスーツで登場。敗血症による高熱で入院し、21日に退院したばかりだが、元気な姿を見せた。時折笑みを浮かべながら、約1年にわたった取材、執筆を振り返り「将来は農業を学んでみたい」との夢も語った。

 本の取材、執筆のために10キロ以上もやせたヨン様は、ややほっそりして見えた。敗血症による高熱で入院していたこともあるが、髪をばっさり切ったことで、その印象が一層強調された。韓国、日本、台湾など400人以上の報道陣からフラッシュを浴びると「ご心配をおかけして、大変申し訳ありませんでした。すぐ元に戻ると思います」と回復をアピールした。

 髪を切ったのは、大きな仕事に区切りがつき、次のステップに向けた決意の表れだ。ドラマ「太王四神記」のために06年から髪を伸ばし、撮了後もそのままだった。慣れたことや本に没頭していたことなどが理由だった。だが、本が完成した直後の9月11日に切り、気持ちに区切りをつけたもようだ。

 フォトエッセー「韓国の美をたどる旅」は、もっと深く広く韓国を知ってほしいと企画。約1年にわたり約40カ所を自分で体験取材、撮影し、13分野にわたる伝統文化の世界について執筆した労作だ。取材で指導を受けた文化人のうち11人と一緒に臨んだ会見では、初めての執筆について「本をつくるのはとてもおもしろかったですが、締め切りを守るのが大変で、最後はやり残したこともあります」と振り返った。

 今月末に来日し、同書とアニメ「冬のソナタ」をテーマにしたイベントを開催する。次のステップについては「今度は俳優としての仕事を考えます。長い空白を空けましたから」と俳優業に戻ることを約束した。その上で「今回の数々の経験も続けたいですが、いつか農業を学び、農業に従事したいんです。職業欄に1つ書くなら『農民』と書いてみたいです。土と触れ合い、実りを得て、おいしい食べ物をつくる仕事だからです」と将来の夢についても語った。

 [2009年9月23日9時17分

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