保釈を求めて東京高裁に抗告中の俳優押尾学被告(32)が1日、大阪地検特捜部の押収資料改ざん事件を例に挙げ、検察に疑問を呈していることが分かった。同被告は1審の初公判が行われた9月3日に接見禁止が解け、手紙や本が読めるようになり、弁護人が差し入れた週刊誌で事件を知った。この日も弁護人と約2時間接見し「何でそういうことが起きるのか。なぜ検察が証拠の改ざんを行うのか?」と訴えたという。

 9月30日には弁護人から、保護責任者遺棄罪などで懲役2年6月という東京地裁判決に対し、東京地検が控訴しない方針を決めたと聞き、「検察の敗北である」と憤るなど検察への不信感は強いようだ。さらに8度も保釈請求が却下されたことに対して、この日も「保釈が認められないのはおかしいんじゃないか?」と力説したという。

 早ければ4日にも、抗告に対する東京高裁の判断が出る見込みだが、1審で遺棄致死罪が成立しなかったことから、押尾被告は保釈の可能性が高まっていると期待している。一方で1000万円程度を想定している保釈金については「周りの人にお金を借りて迷惑をかけたくない」と心配しているといい、弁護団が中心で工面する方向だ。

 [2010年10月2日8時25分

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