【香港30日=近藤由美子】NEWS山下智久(25)が、自身初の単独アジアツアー幕開けとなる香港公演2日目を同中心部のハイテック・スターホールで行った。サッカーアジア杯決勝戦で決勝ゴールをアシストするなど大活躍した日本代表DF長友佑都(24=チェゼーナ)は明大の1年後輩。活躍に「勇気づけられた」と刺激を受けた山Pは、音楽のフィールドでアジア各地に旋風を巻き起こす思いを強くした。

 会場は熱心なファンで埋め尽くされていた。山下にとって、同ツアーは初の海外ソロ公演だが、香港を含む中華圏では出演ドラマが放送され、既に若い女性を中心に高い人気を得ている。オープニングで披露したヒット曲「抱いてセニョリータ」はもちろん、「Loveless」など比較的新しい曲も、駆け付けたファンが日本語で大合唱。山下を熱烈に歓迎した。

 香港公演(29、30日)は約4カ月にわたる大型アジアツアーの皮切りにもあたる。公演前は「言葉の壁が不安でした」などと振り返ったが、前夜、日本代表のアジア杯優勝に勇気づけられていた。

 山下は公演初日を終えて宿泊ホテルに戻り、決勝戦を映すテレビにくぎ付けになった。特に長友の動きが気になった。山下にとっては、明大の1年後輩で、昨年のW杯南アフリカ大会後から何度か食事をする仲になっていたからだ。「すごかったですね。自然に興奮しましたし、同じ国の人が頑張って世界で活躍している姿を見ると、勇気づけられますね。サッカーをしている時はすごいですけど、気さくでいい人ですよ」。

 必死に戦いアジアの頂点に立った日本代表と同様に山下は、このツアーにかけている。同公演の演出も大部分を担当。衣装はジャニーズアイドルらしいきらびやかなものからモノトーン系まで、7パターンを用意。セクシーなダンスと歌を披露し、ステージを降りてファンに近づくなど、積極的にファンとの距離を縮めた。「日本の歌って踊れるアイドルを他のアジアの人たちに知ってもらえたら」。その意気込み通りのステージを展開した。

 長友は持ち味のスタミナと突破力を武器に優勝に大貢献したが、山下も自身の武器をこう表現した。「最後まで走り抜くことじゃないですか。自己管理して千秋楽を迎えられたら。そして僕は僕のやるべきことをやって、世界との距離を縮めていけたらと思います」。アイドル“日本代表”として、まずはアジア各地を魅了する。

 [2011年1月31日7時42分

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