俳優藤原竜也(29)と女優永作博美(40)が、劇団☆新感線2012年春公演「シレンとラギ」(仮題)にダブル主演することが3日、明らかになった。暗殺一族のエース同士でありながら、道を違えていく男女の愛憎を描く。2人の共演は初めてで、互いに「きれいとかわいらしさを兼ね備えた魅力的な方」(藤原)「柔軟にお相手できれば」(永作)と話している。

 新感線の2年半ぶりの新作で、アクションと活劇の“いのうえ歌舞伎”を展開する劇団主宰いのうえひでのり氏(51)は「腕のある2人なので、がっちりお芝居を見せられると思う」と期待する。藤原について「蜷川幸雄さんの秘蔵っ子だが、新感線に出てほしい俳優として小栗旬とともに必ず名前が挙がる人でもある」と笑顔で歓迎する。永作とは、永作がアイドルグループ、ribbonのメンバーだった時代に手掛けた「タイムスリップ黄金丸」以来19年ぶり。「立派な女優さんになったし、昨年子どもを産んだ彼女の母性を出せるものができたらと企画を考え始めた」という。

 今や俳優が出演したい劇団NO・1といわれる新感線への初参加に、藤原は「興奮と喜びでいっぱいです。デビューから15年舞台に立たせていただいていますが、新しい挑戦だと思います」。アクションに備え、体力づくりも始めるという。永作は「久しぶりに新感線節をはけると思うとワクワクします」と話した。

 古田新太、橋本じゅん、高田聖子ら劇団のメーンキャストも勢ぞろいする“フルスペック新感線”での公演で、いのうえ氏は「エロチックでひりひりする、ドロドロの恋愛劇に挑戦します」。来年4月24日から大阪・梅田芸術劇場、5月24日から東京・青山劇場で。

 ◆劇団☆新感線

 80年、いのうえひでのりら大阪芸大の4回生を中心に、つかこうへい作品「熱海殺人事件」で旗揚げ。関西学生演劇ブームの中心的存在に。当時のメンバーに筧利夫、渡辺いっけいら。85年に座付き作家として中島かずきが参加し「髑髏城の七人」などの代表作を生む。ヘビメタと活劇の作風で86年から“いのうえ歌舞伎”とブランド化。俳優が最も出たがる劇団として知られ、市川染五郎、天海祐希、小栗旬ら多くの売れっ子が主役を演じている。