女優米倉涼子(36)が、全編英語版のミュージカル「CHICAGO」の主役として、米ブロードウェーの舞台に立つことが15日、発表された。都内で会見した米倉は「夢って近づけるんだな」としみじみと語り、感激の涙で目を潤ませた。日本人女優が、アジア系ではないアメリカ人を演じるのはブロードウェー史上初めてで、ロングランミュージカルに主演するのも初めてという。

 笑顔で会見の場に姿を見せた米倉は、喜びの心境を語り始めると、突然、目を潤ませた。「とにかくうれしいです。大きなチャンスをいただきました。たくさんの俳優がブロードウェーに立ちたいと思っていると思う。その夢も背中にしょって期待を裏切らないように頑張りたい」と必死に涙をこらえながら語った。

 米倉は国内で、08年と10年に日本版「CHICAGO」の公演を行い、主役ロキシー・ハートを演じた。同作品を「私にとって夢と誇り。これをやるために生まれてきたと思うこともある」と語った。同公演で本家ブロードウェーのスタッフが来日して加わったことが今回の米進出につながった。

 米倉はアメリカから来たパートナーに「私もいつかブロードウェーに立てるかなどとアピールした」と明かすと、「アピールすると夢がかなう、夢って近づけるんだと思う」と喜びを表現した。米倉の言葉に米スタッフらが強くサポート。10年の日本版公演後、米倉は、1、2カ月に1度のペースで英語やダンスの課題を与えられ、カリキュラムをこなす映像を収録したビデオをアメリカに送付。ビデオは計7本にもなったというが、課題をクリアする米倉の映像を見たアメリカの振付師、演出、音楽監督らが出演にOKを出した。

 全編英語の公演となるが米倉は「英語は大変です。でも楽しい」と述べ、不安はないようだ。13日に吉報をスタッフから聞き「人が集まってきてしみじみと抱き合いました。静かに涙を流しました」と明かした。さらに「日本人女性として初めて、ブロードウェーでロキシーを演じます。アジアの女性として誇りと自信をもっていきたい」と力強く語った。今後、渡米し4~6週間缶詰め状態で稽古をする。7月公演の日程や他のキャストなど詳細は後日発表される。

 日本人女優がブロードウェーで、アジア系ではないアメリカ人女性を演じるのも、ロングランミュージカルに主演するのも初めて。1958年にナンシー梅木さんが「フラワー・ドラム・ソング」で主演を務めたが、中国人役だった。男優では、70年に松本幸四郎が「ラ・マンチャの男」で主演している。

 ◆「CHICAGO」

 1975年、ブロードウェーのアンバサダー劇場の初演から77年までのロングランを記録して1度閉幕したが、96年にリバイバル公演がスタート。リバイバル作としてはブロードウェー史上歴代1位のロングランの記録を更新中。物語は、20年代のジャズ全盛時代の米シカゴを舞台に描く。愛人を殺し、投獄された主人公の女性ロキシー・ハートが、うそをついて無罪を勝ち取る姿と逆に失った物を、強欲、暴力、金もうけ、裏切りなどを織り交ぜて描く。