現役女子高生シンガー・ソングライター家入レオ(17)が27日、東京・ららぽーと豊洲で、ファーストアルバム「LEO」の発売記念ライブを行った。等身大の気持ちをストレートに表現した歌詞が共感を呼び、今月24日発売の同アルバムは、早くも10万枚以上を売り上げるヒット。格好のアピール材料を得てこの日、NHK紅白歌合戦出場と日本レコード大賞最優秀新人賞受賞を熱望した。故・尾崎豊さんの曲に影響を受け、音楽の道を志した少女が、年の瀬を熱くする。

 青空に向けて家入が右腕を突き上げた。デビュー曲「サブリナ」に合わせ、何度も突き上げた。そのパワフルな歌声とアクションに観客約1500人も反応し、歓声を上げた。「レオ~!」。瞬間、家入の目力が少し緩んだ。老若男女、幅広い層の観客に自分のパフォーマンスが受け入れられたことがうれしかった。続けて「Shine」「Linda」など計5曲を歌い上げた。「私は雨女なのですが、晴れた屋外で歌うことができて気持ちよかったです」。すがすがしい笑顔で、ミニ野外ライブを締めくくった。

 今年2月、「サブリナ」でデビューし、オリコン週間ランキングで初登場9位に入った。5月には「Shine」(同7位)、9月には「Bless

 You」(同8位)と計3曲のシングルをリリース。ありのままの感情をさらけ出した歌詞と、力強い歌声がたちまち話題になった。「Shine」はUSENの上半期J-POP総合ランキングで1位、新人ソロアーティストとしては異例のヒットを続けている。

 女子高生にして自ら作詞、作曲する家入は、自身の特徴を「曲にうそがないこと」と言い切る。背景には、13歳で聴いた楽曲の存在があった。尾崎さんの「15の夜」だ。母親の持っていたCDを聴き、心と体に衝撃を受けた。「音楽の道に進みたい」。そう、決意して15歳にして青春期の思いや叫びを描いた「サブリナ」を完成させた。そして、高校に進学した頃、音楽塾でレッスン中に現在の所属レコード会社にスカウトされ、福岡から単身で上京した。「それまでは心を閉ざしてしまう部分もあったらしいのですが、『15の夜』を聴いて、『全部さらけ出して、伝えていいんだ』って感じたらしいんです」(所属事務所関係者)。

 今月24日発売の「LEO」は、オリコンデーリーランキング1位を獲得し、目標にしてきたNHK紅白歌合戦出場と日本レコード大賞最優秀新人賞受賞も視界に捉えた。本人もこの日、「紅白、出たいですね。いろんな方に支えていただいているので、恩返しをするという意味でも頑張って出場したいです」とアピールした。関係者もその気で、12月30日と31日のスケジュールを空け、プロモーション活動を展開している。年の瀬、家入が目力と歌声で、全国のお茶の間に強烈なインパクトを与えるかもしれない。尾崎さんのごとく。【横山慧】

 ◆家入(いえいり)レオ

 1994年(平6)12月13日、福岡県生まれ。幼少期にピアノを習う。小学校では合唱部に所属し、社会への不満などをつづった詩を書いていた。中学1年で歌手を志し、音楽プロデューサー西尾芳彦氏主宰で、絢香、YUIらを輩出した「音楽塾ヴォイス」に入門。11年に単身で上京し、今年2月に「サブリナ」でデビュー。来年1月17日から自身初の全国ツアーを開催予定。座右の銘は「凜(りん)として花一輪」。血液型A。