EXILEのATSUSHI(32)が、新曲「それでも、生きてゆく」(5月1日発売)でピアニスト辻井伸行氏(24)と初共演したことが6日、分かった。大震災の被災地を思って同氏が作曲した同名曲の作詞を手掛け、歌唱している。ATSUSHIは「曲を聴くとすぐに言葉が浮かんできました」。作詞を依頼した辻井氏もレコーディングでは「これ以上ないというくらい集中して演奏しました」という。

 共演は辻井氏からのラブコールで実現した。昨年末にATSUSHIが被災地へ思いを込めて歌った配信シングル「ふるさと」を聴いて「同じ思いを持っていると強く感じた」と共感。被災者を励まそうと作曲しコンサートのアンコールで必ず演奏している「それでも、生きてゆく」を、「ソング(歌)にすることで、より多くの被災した方々に届けることができるのでは」と作詞を依頼することを発案。快諾したATSUSHIは「曲を聴くとすぐに言葉が浮かんできました」という。また「悲しいメロディーから始まりますが、気づくと前向きなイメージに変わっている。そんな曲です」とも話している。

 辻井氏は、共演の実現に「心から感謝します」と言い、詞については「優しく寄り添い励ます力をもっていて素晴らしい」と絶賛。レコーディングでは「思いが歌からダイレクトに伝わってきて、これ以上ないというくらい集中して演奏しました」という。

 この曲は同氏が大震災直後の11年3月31日、追悼と激励の思いを込め、北米ツアー最初の演奏会のアンコールで即興的に弾いた曲だった。それから2年。ATSUSHIが手掛けた詞と結び付き、約3カ月の制作期間を経て、「歌」になった。ATSUSHIは「少しでも心を痛めている方々の癒やしになればと思い、歌わせていただきました」と話している。曲のテーマは、前半が「追悼」で後半が「希望」だという。

 シングルCDとして5月1日に発売されるが、これに先駆けて9日放送のNHK「SONGS」で共演ライブを披露する。

 [2013年3月7日6時59分

 紙面から]日刊スポーツのオススメ