「圭子の夢は夜ひらく」などで一世を風靡(ふうび)した歌手の藤圭子(ふじ・けいこ)さん(本名・阿部純子=あべ・じゅんこ)が22日、東京・新宿のマンション13階から転落し、死亡した。62歳だった。警視庁は飛び降り自殺とみて調べている。

 作曲家平尾昌晃(75)は、「十数年前に僕のラジオ番組で生で歌ってもらった時に『もったいない。もっと歌ってよ』と言ったら、『娘がすごいのよ。いい曲も書くし』と話していた。暗い子で、プライベートをしゃべらない子なのに変わったなと思った。演歌系の人は明るい人が多いけど、彼女は自分を売り込むことを好まないし、みんなと一緒に飲みに行くこともなかった。だから、日本より海外の方が住みやすい面もあったと思う。心にしみる歌を歌える人だし、僕も彼女にまた1曲書きたいと思っていた。だから自殺なんて信じられない」。