ファッション誌「mina」専属モデルで女優の吉倉あおい(19)が、公開中の映画「ゆるせない、逢いたい」で初主演を務めた。レイプによって心の傷を負う女子高生役。異色の設定にも「初めて主演をやらせていただきましたが、のびのびできた。プレッシャーも迷いもなかった」。

 体当たりの演技で、強心臓の持ち主に思えるが、芸能界入りする前は極度の人見知り。1人でコンビニに行くことすらできなかったという。店員に「おつりです」と言われた時に「何て言葉を返していいのか分からない」と考えてしまうような少女だった。

 小6の時にスカウトされ、芸能界入りした。所属事務所の演技レッスンで会場に着くなり、「おなかが痛い」と母親に訴え、近くのファミリーレストランで時間をつぶす日もあった。

 性格に変化が見え始めたのは、事務所入りして半年が過ぎたころだった。芸能活動に慣れ始め、「自分を変えたい」と思い、特訓場所に選んだのは「風呂場」だった。話す練習をした。「カフェや自分の部屋でも試したんですけどダメで、お風呂の鏡に向かって話す練習をしてる時が集中できました。今でも考え事をする時や、せりふを覚える時はお風呂に3時間こもることも。お風呂が私の成長場所です」。

 家族と同居しているが、自宅の風呂ではなく、1人でスーパー銭湯に行くこともある。年配の女性たちに囲まれて、5時間近く入っていることもあるという。「出た時に肌がツルツルになっていることがたまらないです。その後は決まって黒酢を飲みます」。コミュニケーション力をつけながら、美容にもつながると一石二鳥を楽しんでいる。

 「性格改造」に成功して撮影に臨んだ「ゆるせない、逢いたい」は、海外の映画祭でも上映された。「今後も世界の人が見てくれるような作品に出演して、いろんなジャンルで活動していきたいです」。今はどんなに朝が早くても、現場に行くことが楽しみで仕方ないという。【細江純平】

 ◆吉倉(よしくら)あおい

 1994年(平6)11月26日、神奈川県生まれ。スカウトされて事務所入りした翌年の07年、フジテレビ系「ガリレオ」でドラマ初出演。09年にファッション雑誌「mina」専属モデルに。趣味は妄想など。特技はマラソン。167センチ。血液型AB。