NHKの次期会長に日本ユニシス特別顧問の籾井勝人氏(70)の就任が決まり、20日、都内で会見を行った。松本正之会長(69)の任期満了による退任にともない、この日、行われた経営委員会で任命が決定。来年1月25日付で就任する。会見で籾井氏は「言葉がまずいと言われる」と言う通り、危うくもユニークな発言を連発した。

 籾井氏は受信料を言い間違え「視聴料」と表現。さらに「炭鉱地帯で育ったので多少、野蛮なところがある」と自己紹介。一部週刊誌に「NHKは親方日の丸」と語ったと報じられたことに「ちょっとほろ酔いだった」とし「当たらずとも遠からず。民放は利益団体。NHKはある意味恵まれている」などと語った。また「ごちそうさん」のような根性ドラマが好きとし「僕のストーリーを書いたら『半沢直樹』よりも面白いかも」と語った。

 11月には安倍首相と親しい人物が経営委員に決まるなど、一部では「政権の意向に沿って人選が進められた」との指摘もあった。これに対し浜田委員長は「内規に基づき粛々と手続きを進めた」と否定。また、NHKの一部には内部昇格の復活に期待する声も出ていたが、ある経営委員は「NHK理事は記者出身者が多い。経営のプロが会長になるべきだ」と否定的だった。

 ◆籾井勝人(もみい・かつと)九州大卒。65年三井物産入社。04年同社副社長。05年日本ユニシス社長を経て13年6月から特別顧問。70歳。福岡県出身。