市川海老蔵(36)が18日、京都市内で昨年2月に亡くなった父市川団十郎さんの一年祭となる「団菊祭五月大歌舞伎」(5月1~25日、東京・歌舞伎座)への意欲を語った。

 昼の部は尾上菊之助の富樫で「勧進帳」の弁慶、夜の部は尾上菊五郎の水野で「極付幡随長兵衛」の長兵衛を演じる。いずれも海老蔵が昨年1月の東京・浅草公会堂で務め、そのDVDを病室の団十郎さんに届けて指導を受けた。

 「『幡随長兵衛』は父から最後に習った作品で、見終わった後に手紙のやりとりが3、4通ありました。手紙のやりとりは初めてで、基本褒めない父が珍しく褒めてくれました。自分の長兵衛を見て、おやじに似てきたかなと思いました」

 団十郎さんが亡くなって約1年2カ月。26日には千葉・成田山新勝寺で「一周忌追悼会」を行う。

 「父と(妻の)麻央は似ています。父は僕の手綱を締めてくれていたので、亡くなって放し飼いになるかと思ったら、麻央が手綱を締めてくれています」

 団十郎襲名の時期も注目されるが、「ゆくゆくはなるでしょうし、僕なりの考えはあるけど、今は言わない。今も父を思うことが多いし、来月は父と一緒に務めるつもりでやりたい」と話した。