覚せい剤取締法違反(所持と使用)で起訴されたASKA(本名・宮崎重明)被告(56)の知人女性で、同違反で起訴された栩内(とちない)香澄美被告(37)の初公判が22日、東京地裁で行われた。

 栩内被告はノーメークだったが、胸元に大きなフリルをあしらった白と紺のストライプの半袖シャツに紺のパンツ、素足にピンクのサンダルといった清潔感あふれる装いで出廷した。軽いウエーブのかかった茶色の髪は肩まで伸びていた。

 注目の裁判で法廷には熱気がこもったが、開廷前に被告席の後ろに座った弁護人の方をくるりと振り返り、笑みを浮かべてあいさつする余裕もあった。

 数回、鼻をすすったり、指で目をぬぐう場面もあったが、無表情の時間が長く続いた。感情がはっきり表に出たのは、弁護人が「『鑑定が陽性なのに被告はふてぶてしい』といった報道は極めて遺憾」と発言した瞬間だった。軽くうなずきながら唇がわずかに震え、白い顔がほんのり赤らみ、涙目になった。

 それ以外は、資料をじっと読む姿や、発言者に必ず目を向けるなど、公判にしっかり向き合おうとする姿勢が感じられた。