「心の旅」などのヒット曲で知られるチューリップのギタリスト安部俊幸(あべ・としゆき)さんが7月7日、移住先のインドで脳出血のために急死していたことが9日、分かった。64歳だった。関係者によると自宅で倒れているのを家族が見つけたという。葬儀は現地で近親者のみの密葬で済ませた。しのぶ会などは遺族の意向で行わない。

 福岡市出身で、ビートルズに強い影響を受け、71年にチューリップに加入。翌72年に上京し、「魔法の黄色い靴」でプロデビュー。85年に脱退し、別のグループを結成したが、チューリップの再結成に参加。12年から13年にかけて行った40周年記念の全国ツアーにも参加した。昨年7月2日の福岡公演が日本での最後のステージとなった。

 チューリップのボーカル財津和夫(66)は「とにかくギターを愛した男でした。20歳のころに出会って44年の付き合い。青春時代をともに生きてきた大切な友人でした。もう1度ステージで一緒に演奏したいです」とコメントした。同じくボーカルの姫野達也(62)は「一番の理解者で、かけがえのない友人でもありました」。ドラムス上田雅利(63)は「デビュー前、『このバンドだったらきっと何でも夢はかなうぜ』と言った言葉を思い出します」。ベース宮城伸一郎(58)は「演奏中の笑顔に何度励まされたことか」としのんだ。