昨年9月に膵臓(すいぞう)がんの切除手術を受けた歌舞伎俳優坂東三津五郎(58)が12月のこまつ座公演「芭蕉通夜舟」を降板することが27日、発表された。所属事務所によると、がんの再発、転移はなく、検査の結果、加療の必要があるとの判断で治療に専念するためで、公演は延期(時期未定)となる。入院はしておらず、通院しながら、具体的な治療法を医師と検討中。ナビゲーター役のテレビ朝日系「世界の街道をゆく」の収録も続ける。

 三津五郎は手術後、今年4月の歌舞伎座公演で復帰。8月の歌舞伎座公演、TBS系ドラマ「ルーズヴェルト・ゲーム」にも出演した。9月も坂東流家元として九州などで舞踊講習を行ったほか、ゴルフコンペを主催し、20日には舞踊会に出演した。

 三津五郎は降板に際して「愛着があり、どうしてもやりたかった作品ですので、無理をしてでも演じることも考えました」と心境を明かした。その上で「『ほぼ一人芝居』という性質上、体調不良となった場合に今以上のご迷惑をおかけすることになってしまいますので、降板して治療に専念することにしました」と説明した。