V6岡田准一(30)が、「おくりびと」で09年アカデミー賞外国語映画賞を受賞した滝田洋二郎監督(55)の新作「天地明察」(来年公開)の主演を務めることが13日、発表された。昨年の吉川英治文学新人賞、本屋大賞を受賞した冲方丁(うぶかた・とう)氏の同名小説が原作。江戸時代前期の天文暦学者で囲碁棋士だった実在の人物、安井算哲を描く同作は、38万部のベストセラーになった。

 岡田は挫折を繰り返しながらも、改暦の大事業に挑む主人公を演じる。滝田監督は岡田の起用に「星を見つめる目を想像した時、やさしげだが、心の強さを感じさせる。後半は男っぽくなるが、その落差を演じられるのは岡田さんしかいない」と説明する。最近では、映画「SP」で見せた体当たりの激しいアクションが話題になった。滝田監督は「今までの役とは違うはず。大きな壁にも負けないスターなので、作品をちゃんと背負える」と新境地開拓に太鼓判を押す。

 共演者も豪華な顔触れがそろった。主人公を支えるヒロイン、えんを宮崎あおいが演じる。松本幸四郎、市川染五郎、市川亀治郎と歌舞伎界からも出演が決定。ほか、中井貴一、佐藤隆太、笹野高史、岸部一徳、関ジャニ∞横山裕、渡辺大、白井晃が出演する。音楽は「おくりびと」に続き、久石譲氏が手掛ける。

 岡田は「多くの方々に支えられ、まっすぐに生き、生涯をかけて改暦という事業にまい進する男を演じることで、皆さまに勇気や希望を感じていただけるような作品にできるよう、心を込めて演じていければと思います」と話している。

 完成は来年1月。早ければ5月のカンヌ映画祭への出品、さらに海外公開も視野に入れている。滝田監督は「自分のベストを尽くすだけ」と語るが、アカデミー受賞以来の新作だけに、国内外からの注目度は抜群。「ちゃんと映画界を背負っている方」と評価する岡田とともに、再び世界を目指すことになる。