第26回東京国際映画祭(10月17日開幕)の会見が30日、都内で行われ、アニメ映画を積極的に上映していく方針が示された。4月に就任した椎名保ディレクター・ジェネラル(角川書店取締役相談役)は「アニメは日本を代表するコンテンツであり文化。海外に発信する最大の武器。東京国際映画祭で押し出し、しっかり取り上げたい」と話した。

 これまで毎年1本程度の上映だったが、今年は映画祭まで3カ月と時間がないが、3、4本のアニメ映画を上映する準備を進める。来年以降はさらに出品本数を増やし、椎名氏は「ゆくゆくは、アニメだけのセクションができればいい」として、将来的に独立した部門を設ける方向を示した。

 背景には、アニメ人気を映画祭の盛り上げにつなげていきたい意向がある。椎名氏が「一般の人にとって敷居が高いと聞く。特に若い人に身近に感じてほしい」と言うように同映画祭は知名度、人気とも伸び悩んでいる印象が強い。映画界は今年上半期、興行収入約68億円を記録した「ONE

 PIECE

 FILM

 Z」をはじめ、アニメ映画が軒並み好調。こうした勢いを映画祭を活気づける起爆剤として期待している。

 日本のアニメは国際的にも評価が高く、椎名氏は「海外からも注目して多数の参加が出てくるんじゃないか」と期待する。宮崎駿監督(72)の新作「風立ちぬ」が、ベネチア映画祭コンペティション部門に出品されているが「ぜひ賞を取ってもらいたい。日本のアニメは世界で評価される。東京国際映画祭でも重要視する」と強調した。

 この日はトム・ハンクス(57)主演「キャプテン・フィリップス」が開幕作品、三谷幸喜監督(52)の「清須会議」が閉幕作品に決まったこと、「フェスティバルミューズ」に栗山千明(28)が選ばれたことも発表された。【村上幸将】