東京・豊洲への先月7日の移転予定が先送りになり、迎えないはずだった年末の繁忙期で、築地の場内市場がにぎわっている。豊洲市場の建築工事はほぼ完了し、移転は決まっているが、市場関係者の不安は消えない。地下水などから基準を超える有害物質の検出が続いているからだ。

 仲卸業者の悲痛な叫びが続いている。今月10日、豊洲市場の安全性を検証している都の専門家会議が築地市場で会合を開き、多くの仲卸業者が参加。汚染の危険性を指摘する声が相次いだ。ある男性は「地下空間の大気が汚れて、換気が必要なら、消費者は安全と思わない。移転するなら安全なところに行きたい。市場がこけたら、日本の漁師みんながこける」と強調。別の男性は「大地震が来て、地面から汚染物質が噴き出したら、市場は終わりだ。汚染した土壌の上に市場を建てたと、世界中の笑いものになる」と訴えた。