豊洲市場の移転問題を検証する都議会の調査特別委員会(百条委員会)は18日、用地の地権者だった東京ガスとの売買交渉に関わった、歴代市場長4人に対する証人喚問が行われた。

 土壌汚染対策費が860億円に拡大したにもかかわらず、東ガス側に求めた負担がわずか78億円だったことが、都による「瑕疵(かし)担保責任」の放棄ではないかとする質問が集中したが、11年3月に東ガスと売買契約をまとめた岡田至氏は、「都が瑕疵担保を免除したとは考えていない」と繰り返し主張した。

 東ガスが、条例で必要な土壌汚染対策をすでに講じていたためと説明。「社会的な責任から負担には応じるが、応じる以上はここで区切りをつけたい」と、くぎを刺されたことも明かした。岡田氏は「最初から(東ガスの言い分を)のんだわけではない」としながらも、「合意し、負担を了解してもらうために、東京ガスの意見を採用せざるを得なかった」と述べた。瑕疵担保責任の問題は、小池百合子知事も重要なポイントとして挙げている。

 一方、岡田氏は当時知事だった石原慎太郎氏に「早い段階でブリーフした。78億円で合意した時も報告したはずだが、記憶は判然としない」と述べた。石原氏は3日の会見などで、自身は知らなかったとする趣旨の発言をしている。

 百条委にはきょう19日からキーマン2人が登場、検証は大きなヤマを迎える。19日は、東ガス側と「水面下の交渉」としたとされる浜渦武生元副知事、20日は石原氏が出席する。特に浜渦氏は民放番組で「言われれば洗いざらい話す」と述べており、真相解明につながるかが焦点だ。