東京のランドマークが、新しく生まれ変わる-。東京タワー(東京都港区)を運営する日本電波塔の前田伸(しん)社長(55)はこのほど、工事中の特別展望台(高さ250メートル)を3月3日から「トップデッキ」としてリニューアルオープンし、体験型のアトラクション「トップデッキツアー」を開始すると発表した。2020年東京オリンピック(五輪)・パラリンピックに向けて、タワー業界初の試みで、観光客を迎え入れる。

 前田社長の表情は、晴れやかだった。「20年東京五輪も近い。東京タワーは、新たな歴史のターニングポイントを迎える」。12月23日に迎える開業60周年を前に、東京タワーが生まれ変わる。世界初のアトラクション型ツアーを開始する。

 特別展望台の改修工事は、一昨年10月から行われてきた。現在も工事中だが、来月中旬には終わる予定。進行中の大展望台(高さ150メートル)リニューアル工事も含め、総工費約40億円の大改修だ。

 「改修工事は、内装だけでなく防災機能やエレベーターなどインフラ部分も行われている」と前田社長。これまで、旧特別展望台に向かうには、階段やエスカレーターを使う必要があり、車いす利用者は上がれなかった。今回の工事で、新たにエレベーターを新設。予約枠に限りはあるが、車いす利用者もツアーの全てに参加できる。

 また、増え続けるインバウンド対策として、ツアーには13言語対応の事前予約システムと音声ガイドを導入。待ち時間もなく、誰でもスムーズに楽しめる環境を用意した。東京タワーマーケティング課の沢田健(つよし)さん(46)は、「世界中からお越しいただくお客様に、東京タワーオリジナルのサービスとおもてなしをご提供する。体験型展望ツアーは世界のタワー業界を見ても初めてだと思う」と胸を張った。

 20年に向けて、東京スカイツリーとともに、東京を活性化させる。「スカイツリーとは、エリアの特色が全く違う。ちなみに、どちらも上がる人がとても多いんです。20年東京五輪に向けて、一緒に盛り上げていけたらいい」。

 同ツアーの予約は、23日正午からスタート。オープン初日のツアー客には、もれなく全員に記念品がプレゼントされる。オープンは、東京タワーの高さ333メートルにちなんで、平成30年3月3日だ。【太田皐介】