自由党の小沢一郎共同代表は29日の会見で、自身が中心になって英国の「クエスチョンタイム」を参考に導入した党首討論について、安倍晋三首相らが「歴史的使命は終わった」と論評したことに対し、「意味不明だけどね。(党首同士の)議論の必要がないということなら、もはや、彼(首相)の頭には民主主義という概念はないということでしょうね」と反論した。

 小沢氏は、「英国では『党首討論』ではなく『クエスチョンタイム』という。政府に対して、考えをただすということだ」と指摘。本場の英国では、必ずしも党首が出席する必要がないことや、30~40分の実施時間ながら毎週、実施していることなど、日本の現在のスタイルとの違いを説明。「日本のメディアも習ってほしいが、討論が行われた場合、テレビやラジオ、新聞で大きく扱い、国民に内容を知らせる。そのことで、国民も、与野党の主張を毎週、はっきりした形で知ることができる」と、報道体制にも注文をつけた。

 その上で、現在議論になっている国会改革の一環で、首相の委員会出席の頻度が問題になっていることを念頭に、「今、総理が委員会に出るとか、出ないとか言っているが、クエスチョンタイムを毎週やれば、総理が各委員会に総理が出なくてもいい」と、党首討論が持つ重要性をあらためて指摘。

 一方で、「でも、これ(党首討論)をやらず、さらには各委員会にも出ないというなら、じゃあ何をするのか。議院内閣制はまったく機能しなくなる。安倍総理のお考えでは、そういう意識でいるということだろう」と、皮肉まじりに述べた。

 「歴史的使命は終わった」との発言は、27日の党首討論で安倍首相が口にしたが、先月30日の党首討論で、首相の答弁スタイルに業を煮やした立憲民主党の枝野幸男代表が、発言したのがきっかけだった。2000年の正式導入時と比べて野党の数が増えたこともあり、現在の45分の討論時間では、1人の持ち時間があまりにも少なく、討論をする側も、見る側も「消化不良」感が否めないのが現実。時間や回数も含め、現状の党首討論のあり方を見直すべきとの意見は、与野党から出ている。