大阪府の吉村洋文知事(45)が11日、府庁で取材に応じ、厚生労働省が発表した新型コロナウイルス変異株の国内感染例の調査結果について言及した。同調査では、9日時点で21都府県で計271人確認したとし、大阪が最多の62人だった。なぜ、大阪では変異株が多いのか? 吉村知事が、その背景を説明した。

感染力が強いとされる変異株について、政府の新型コロナ対策分科会の尾身茂会長は「早晩、変異株が主流になる」と指摘しているが、吉村知事は「尾身会長も言われているが、僕もそうだろうなと思う」と前置きし、「大切なのは変異株の調査能力を高めて、できるだけ早くキャッチしていくことが重要だと思う。少し前に、(担当する)部局に変異株について1月以降調べることができるものは徹底的に調べてほしいと指示を出した」と明かした。

「検査機関が変異株を見つけてくれたら、われわれ(大阪府)が疫学調査をし、つながりを見つけていく変異株のつながりをどんどん見つけていった結果、大きな数が出てきた」と、検査能力の強化が変異株が全国最多になった背景だと説明した。

変異株が急速に拡大するリスクも懸念されているが「変異株をできるだけ多く見つけて、早い段階で抑え込んでおくことが重要。これからもどんどん見つけていきたい」と話した。

一方で検査強化による“風評”も心配した。「これをやると大阪は変異株が多くて、そこから広がっているんかという疑念をかけられたり…。悩みながら進めている。僕としてはできるだけ見つけて、オープンにしていきたい。気が付いたら変異株だらけにならないためにも」。変異株でも「見える化」を推し進めていくとした。【松浦隆司】