リトルトーキョーの中心 1st Street沿いにあり「安全」という看板が目印です
リトルトーキョーの中心 1st Street沿いにあり「安全」という看板が目印です
グローブに今夏オープンしたLA初の交番はとっても小さな建物ですが日本の交番と同じ役割を果たしています
グローブに今夏オープンしたLA初の交番はとっても小さな建物ですが日本の交番と同じ役割を果たしています

ここアメリカには交番は存在しません

 もしも、海外で道に迷ったり、落し物をしたりしたらどうしたらいいのか不安になりますよね。日本では身近なところに交番がありますが、ここアメリカには交番は存在しません。何かあった時は警察署に出向いて窓口で対応してもらうか、電話で通報するかのいずれかを選択することになります。ですから日本の交番のお巡りさんのように道案内はしてくれませんし、置き引きや車上荒らし程度の軽犯罪では基本的に捜査はしてくれません。些細なことでも困った時に助けてもらえる日本の交番とアメリカの警察では大きな違いがあるんです。LAPDと呼ばれるロサンゼルス市警察は、ハリウッド映画やテレビで派手なカーチェイスをするシーンなどを観たこともあると思いますが、頻繁にパトロールに出かけて市民の安全を守っています。

デパート、ノードストロームの横にあり「LAPD KOBAN」と書かれた看板が目印です
デパート、ノードストロームの横にあり「LAPD KOBAN」と書かれた看板が目印です

日本と同じ交番「Koban」です

 そんなLAに今年、日本の交番が初登場して話題になりました。地元の人だけでなく、観光客にも人気の屋外ショッピングモール「グローブ」の中に「Koban」と書かれたまさに日本と同じ交番がお目見えしたのです。地元メディアの報道によると、日本で育った警察官のアイディアが採用されたもので、日本の交番にインスパイアされた「Koban」には常駐の警察官が2人おり、道案内や落し物などにも対応してくれるそうです。日本の交番から想像すると驚くほど小さく、小屋みたいな建物ですが、何か困った時には気軽に声をかけることができる場所ができたことで、周辺の治安強化にも多いに役立っているようです。

リトルトーキョーにある防犯協会が運営する交番は日本語で対応してもらえます。「小東京交番」の看板を見るとちょっと安心します
リトルトーキョーにある防犯協会が運営する交番は日本語で対応してもらえます。「小東京交番」の看板を見るとちょっと安心します

リトルトーキョーに漢字で小東京交番

 実は日本人も多く訪れるリトルトーキョーに行くと、日本語で「小東京交番」と書かれた看板がありますが、こちらは警察官が常駐する交番ではなく、リトルトーキョーの安全や一般的な地域情報、観光案内を提供するボランティアが常駐する防犯協会なんです。本物の交番ではありませんが、トラブルがあった場合には日本語と英語の両方で対応してもらえますし、道を尋ねることもできます。ロサンゼルス市警察も巡回しているので、旅行中に何か起きた時には“駆け込み寺”として知っておくとよいと思います。

 国が変われば警察の組織のあり方も大きく違ってくることを踏まえ、LA旅行前には是非これらの情報もお忘れなく頭に入れておいてくださいね。(米ロサンゼルスから千歳香奈子。写真も)