大逆転タイトルもある!? 中日は1日の広島戦(マツダスタジアム)が雨天中止。今季最終戦として7日への振り替えが決まった。これで、当初の最終戦だった今日2日に先発する若松駿太投手(20)に、もう1度先発できる可能性が浮上した。規定投球回まで残り14イニング。クリアした上で、好投を続ければ防御率でも一気にトップ争いに。新人王もアピールできる。

 遠征に同行している山本昌の引退試合が話題をさらう中、若松は今日2日の先発に向け、マツダスタジアム室内練習場などで淡々と調整に汗を流した。

 この雨が、右腕への「ご褒美」につながるかもしれない。振替日が7日になったことで、もう1度先発できる状況ができ上がった。もちろん大野や広島に強いバルデス、八木らの先発が基本線。中4日登板が1度もない若松だが、2日の内容によって「おかわり」登板も不思議ではない。

 残り14回で規定の143投球回に到達。仮に14回を自責0でいけば防御率1・95。1位の広島ジョンソンは1・87、2位の巨人菅野は1・91。ともにあと1回先発するとみられ、その結果次第では逆転もあり得るというわけだ。そして、規定クリア、防御率タイトルとなれば新人王争いもがぜん有利になる。

 若松は新人王について、日ごろから「僕は無理でしょう。考えたこともないです」と無関心を強調。規定投球回と防御率についても「気にしていないです。僕の場合は2桁勝利が最優先。7勝か8勝だったらここで投げさせてもらっていない。すごく気を使ってもらっているので」と、10勝を大目標としている。

 ただ、1日現在でセの規定投球回クリアはたった13人。中日は大野だけで、DeNAには1人もいない。先発として1年働いた勲章だ。抜群の安定感でローテを支えてきた若松。最後の最後に力投が「形」として結実すれば、来季以降への大きなはずみになるに違いない。【柏原誠】

 ◆新人王資格 初めて支配下登録されて5年以内。前年までの出場が投手なら30イニング以内、野手なら60打席以内。3年目の中日若松は昨季まで通算16回1/3だった。