NMB48の1期生で、デビュー曲「絶滅黒髪少女」から12作連続で選抜入りしている主力メンバー、小谷里歩(21)が13日、大阪・NMB48劇場のチームN「ここにだって天使はいる」公演で、卒業を発表した。

 小谷は「卒業して、大好きなバラエティーとか、演技の仕事など、いろいろなことにチャレンジしたいなと思っております」と話し、卒業後はタレント転身を目指す。卒業公演、活動終了時期は未定。

 8月24日生まれの小谷だが、この日は遅ればせながらの生誕祭公演。ハッピーバースデーのあとに、ファンにお別れを告げる異例の形になった。

 「去年ぐらいからずっと(卒業の)時期を考えていて…。で、いつがいいかと考えていたら、1人でも多くの私推しの方に伝えたかったので、今日を選ばせてもらいました」

 生誕祭を卒業発表の場とした理由を説明した。ファンにとっても、祝福から涙へと大きく揺れた1日になった。

 恒例の誕生ケーキが運ばれ、花束を手にした小谷がステージ中央へ。同期の岸野里香(21)や、AKB48へ移籍した小笠原茉由(21)らからの手紙が読み上げられ、劇場内は誕生日祝福のムードがいっぱい。御礼あいさつのマイクを握った小谷は、言葉がなかなか出てこなかった。

 「あれ、ちょっと…仕切り直しで…鼻水が…」

 困ったように、背後に控えていたキャプテン山本彩(22)と目を合わせ、山本は大きくうなずき、小谷にあいさつを促した。

 小谷の発言を劇場中が見守る中、目に涙を浮かべながらも、なんとか卒業を報告。ただし、照れくさかったのか、劇場内にいたカメラマンに向かい「さっきの鼻水の写真は使わないでください」とお願い。客席、メンバーも爆笑となった。

 努めて明るく振る舞う小谷の隣で、同期の上西恵(20)はステージ上で号泣。小谷は、さらに「まだまだNMBで学びたいこともあるので、よろしくお願いします。(今月)20日には、上のジュンク堂(劇場上階の書店)で、写真集のサイン会もあるので、きてください。まだ、いっぱいチケット余ってるみたいなんで。あ…変な宣伝しちゃいました」と続け、また爆笑が起こった。

 突如、初写真集「蛇口」のPRを始めた小谷に対し、絶妙のタイミングで山本が「(サイン会に)行くよ!」と声をかけ、笑いとともに拍手が起こった。

 その山本は「りぽぽ(小谷)は、楽しいことが好きで、メンバーやファンの方が暗くなってしまう、悲しい気持ちになるって心配してた」とフォロー。山本は、事前に卒業の相談を受けていたといい「バラエティーに進みたいという大きな決断は、私たちには止められない。むしろ逆に、強く背中を押してあげたいと思う」と話していた。

 小谷は10年9月、16歳で1期オーディションに合格。1期生では唯一の京都府出身で、はんなりした口調で、いじられキャラクターが定着。極度の「怖がり」ゆえのリアクションが個性的で「女・出川哲朗」と呼ばれたこともあった。

 愛すべきへたれとして、ファンを拡大し、12年8月にはAKB48(チームA)との兼任に抜てきが発表され、いったん解除された後、14年2月の大組閣で再び、AKB48(チーム4)との兼任が決まり、同年の選抜総選挙では初ランクインで、61位に入った。総選挙では今年も54位にランクインしていた。