J2で今季20位に終わった名門・東京Vに、来季は大注目だ!

 この日までに「J1級」ブラジル人トリオ、MFブルーノ・コウチーニョ(28)FWアラン・ピニェイロ(22)DFウェズレイ(22)の獲得が決定的となり、近日中にも発表される見通しとなった。

 アランは昨年、期限付きで川崎Fでプレー。裏への抜け出しが得意な得点感覚に優れたFWで、実力は折り紙付きだ。ウェズレイも184センチ、80キロの強靱(きょうじん)な体を生かした守備で、湘南への移籍が決まった金鐘必の穴を埋めることが期待される。

 そして目玉が、主にトップ下として攻撃を組み立て、得点力もあるブルーノ。各国1部リーグを渡り歩いてきた同MFの入団はクラブにとってラッキーな状況が重なったためだった。ブルーノはポーランド1部の名門ポロニア・ワルシャワで活躍。そのままステップアップしてもおかしくなかった。

 だが10~12年に横暴な当時のオーナーによって指揮官が次々と交代する最悪な状況を経験。ハポエル・テルアビブ(イスラエル)を経て所属したアストラ(ルーマニア)では給与未払いに直面し、今年加入した深セン(中国)でも再び給与が支払われなかった。そのため今度はきちんとクラブ経営がなされる日本を選んだという。

 東京Vの竹本一彦GMは常々、「日本人選手は現有戦力をいかに伸ばしていくか。それに加え、各ポジションの核となる外国人を獲得していく」と話してきた。ラモスやビスマルク、ペレイラら超強力外国人の系譜に連なる、ブルーノら3人の獲得。名門クラブの15年シーズンに、光明がさしてきた。

 ◆ブルーノ・コウチーニョ

 1986年6月21日、ブラジル生まれ。トップ下を中心にボランチまでこなす左利きのMFで、広い視野からのスルーパスや、思い切りの良いシュートが持ち味。グレミオでプロデビューを果たし、ポロニア・ワルシャワでは2シーズンで46試合に出場し、11点を挙げた。ハポエル・テルアビブやアストラを経て、今年は深センで11試合1得点。186センチ、82キロ。

 ◆東京Vの外国人

 読売クラブ時代から、多くの優良外国人を輩出してきた。後に日本国籍を取得したMFラモス瑠偉を筆頭に、ブラジル代表でもプレーしたMFビスマルクやFWワシントン、現神戸のFWマルキーニョスらが東京VでJリーグデビューを果たした。中でも、過去に在籍した外国人で出世頭といえるのが現ブラジル代表でゼニト(ロシア)で活躍するFWフッキと、退団後、セリエAやブンデスリーガで得点王となったFWアモローゾ。同FWは05年にはサンパウロ(ブラジル)の一員としてクラブW杯で来日し、世界一のタイトルも手にしている。