楽天大丈夫?野村監督いきなりダウン
楽天野村がダウンした。野村克也監督(70)が1月31日、キャンプ地の沖縄・久米島に到着後、体調不良を訴え、静養した。島に1つしかない公立病院の院長に宿泊先ホテルで往診を受け「風邪」と診断された。診断後「大丈夫」と元気な姿を見せて安心させたが、心配した関係者が慌ただしく動き回る一幕も。久米島では新規参入した昨年に続き歓迎を受けたが、あいにくの雨。出迎え人数は昨年比の約1/6となる約1000人。ノムさんは「空が泣いとるな」と語り、5年ぶりのプロ監督は、ドタバタの船出となった。
待望のキャンプイン前日。久米島に降り立ったノムさんが、想定外のアクシデントに襲われた。仙台からの直行便で、選手64人と球団関係者を乗せたチャーター機で到着。空港ロビーに登場した時から、様子がおかしい。足元がふらつき、時折つまずきながら歩く。歓迎セレモニーのあいさつでも、話す前にせき込んだ。旗を振って迎えた70歳代のおばちゃんは「いつも顔色はああなの?」と心配そうにつぶやいた。
不安は的中した。風邪の前兆だった。神社で参拝し、歓迎イベントを終えてホテルに到着すると、話し好きのノムさんが部屋にこもった。球団関係者は「風邪で熱が出たようです。医者に往診してもらう」と、状況を説明した。ダウン? キャンプインは指揮官不在? ホテルのロビー内が一気に慌ただしくなった。関係者は部屋とフロントを行き来。水分補給のため、ホテル従業員は島の海洋深層水でつくったミネラルウオーター4本を部屋に運んだ。約100人の報道陣も加わり、一時騒然となった。
そんな心配をよそに、ノムさんは数時間後、ひょっこり現れた。島唯一の公立病院院長の往診を受け「風邪薬をもらった。36度5分。注射も打たなかったし、ただの風邪だ。おとといから、のどが痛かっただけ。大丈夫」といつもの野村節。Tシャツ姿で夕食を平らげ、軽度の風邪であることを強調した。
とはいえ、久米島入りして小さなハプニングも連続していた。空港の歓迎式典ではマイクの不具合で「いよいよ××。プロ野球で1番大事なのは××でして…」と話す内容は途切れ途切れ。肝心な「××」の部分の音量が“ダウン”した。雨にもたたられた。昨年は島民の約2/3にあたる計6500人の歓迎を受けたが、今年の出迎えは約1000人とこちらも“ダウン”。天候で単純比較はできないが「空が泣いとるな」と、ぼやきも出た。その言葉に、久米島初日のドタバタ劇が集約されていた。
「明日からやる」と話していたミーティングには、強行参加した。せき込んで、フラフラになりながら約1時間、心構えを説いた。「長髪、茶髪、ひげ」禁止令に従い、身なりを整えて集合し、やる気を見せた選手を前に、少しの時間も無駄にしたくなかった。
キャンプでは、阪神監督1年目の99年2月2日に風邪でリタイアした。熱は38度9分まで上がって点滴を受けたのに比べれば、症状は軽い。「お前ら、うそ書くなよ。こんな元気な人を」と騒ぐ報道陣を、野村節で笑わせた。体調は崩したが、5年ぶりのプロのキャンプにかける意気込みは相当なもの。創設2年目、心機一転を期す野村楽天の出足はつまずいたが、「1年の計」と位置付けるキャンプがいよいよ始まる。【柴田猛夫】
[2006/2/1/09:22 紙面から]
写真=必勝祈願に臨んだ楽天野村監督は、立ち上がるときによろけて祭壇に手をつく=沖縄・久米島の君南風殿内
|