【WBC】イチロー起点の王ジャパン圧勝
<WBCエキシビション試合:日本代表7−0・12球団選抜>◇24日◇福岡ドーム
大リーガーが初めて参加し、16の国・地域が世界一を争う「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」の日本代表が、12球団選抜と初の試合を行った。「1番右翼」のイチロー外野手(32=マリナーズ)は1回裏、右前打で出塁し、巧みな走塁で先制のホームを踏むなど、初回から王ジャパンの機動力野球を実証した。1次リーグ初戦の中国戦に先発予定の上原浩治投手(30=巨人)は5イニングを投げ8奪三振中4つの3球三振を奪うなど、球数制限内の62球でピシャリと抑えた。王ジャパンが快勝で発進した。
イチローを起点とする、王JAPANの野球がいきなり機能した。初回1死二、三塁。4番松中の強いゴロを前進守備の二塁手・仁志が捕球した時、三塁走者のイチローは、すでに三本間の中間地点を駆け抜けようとしていた。仁志は本塁送球をあきらめた。「ゴロでセーフになるギリギリのタイミングで行きました。僕としては球がバットに当たる前に行きたいくらいですけど」。イチローは事もなげに言った。
王監督はWBCを機動力、小技を絡めた緻密(ちみつ)な野球「スモールベースボール」で戦う方針を打ち出している。「今日は持ち味の足が使えた。こちらとしてはすきを突き、少ないチャンスを得点にいかに結び付けるか」と王監督は話した。福岡合宿初日から川崎、西岡ら俊足の選手に三塁からのスタート練習を反復させた。打者のバットに球が当たる直前にスタートを切る「ギャンブルスタート」。ライナー性の打球の場合、併殺の危険性をはらんだスタートを、イチローはいきなり実演した。
イチローイズムが浸透している。第1打席はカウント0−1から強烈な打球音を残して、右前安打で出塁した。「対戦したことない投手がほとんどで、これが実戦に役立つ。ボールを見たいけど、行かなくてはいけない、難しいところです」とイチロー。続く西岡は初球に三塁セーフティーバントを決めた。三ゴロの3番岩村は2球目、松中も初球。イチローの1点目はわずか6球。敵失もあったが、初回の2点を打者6人で9球で奪った。球数制限で、投手の早めの勝負が予想される。メジャーと同じ、日本より外角に広いストライクゾーンは、慣れない日本人選手には追い込まれると不利になる。王監督は「初球から逃さずに打つという姿勢がいい形で影響を与えている」と歓迎した。
試合後の会見では声がかれていた。「久しぶりに本気でゲームができた。練習の前から本気で行こう、と。みんなそうだったと思う」と話した。帰り際には「昨日の練習で声を出し過ぎて。歌って踊れる野球選手なんですが、今日はダメ」と笑わせた。本気で取り組んでいる証しの、ジョークだった。【中村泰三】
[2006/2/25/09:45 紙面から]
写真=1回裏日本代表無死、イチローは打席に入りポーズを決める
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