フジ授業料350億円!ようやく縁切り
USEN宇野社長と並んで会見したフジテレビ日枝久会長(68)に安堵(あんど)の表情が浮かんだ。ニッポン放送株争奪戦の和解のために昨年4月、約440円億円でライブドア株を取得。株価の下落で約345億円の損失を出したが、今回の売却で、一連の騒動にようやく終止符を打つことができた。日枝会長は「ベストの選択だった。経営責任はない」と強調した。損失全額を、ライブドアなどに損害賠償請求する方針だ。
フジテレビが、ライブドアとようやく縁切りした。保有する12・75%のライブドア株を、総額94億9500万円で宇野氏に売却。事件後、ライブドアとは業務提携を打ち切ったが、これで資本関係も消滅した。会見で日枝氏は「USENがライブドアのポータル事業を吸収したらシナジー効果が出ると考えた。(売却は)シナジー効果を重視した」と、新生ライブドアを気遣う余裕さえ見せた。
宇野氏については「以前からの知り合い。5、6年前にUSENのブロードバンドの実験を見に行ったことがある。映画に出資してもらったり共同事業を行ってきた。USENをここまで大きくした実績を高く評価している」と話した。ニッポン放送騒動のころ「僕は堀江さんとはお会いしたこともない」と嫌悪感を示したのとは対照的だった。
厄介払いができたとはいえ、フジは約345億円の巨額損失を出した。購入価格は1株あたり329円だったが、売却価格は71円。16日の終値は87円だが、ここ1週間の株価の加重平均をもとに、専門家に査定してもらい双方の合意に達した。フジにはUSEN以外にも複数のファンドなどから売却依頼が寄せられたが、価格の折り合いがつかなかったという。
日枝氏は、ライブドア株を購入した際の査定の甘さを指摘され「先方から出された数々の提案をはねのけ、残ったのが第3者割当の引き受けだった。まさか、このようなことが起きるとは思わなかった」と弁明。さらに「1カ月もかけた専門家の査定の上、出資を機関決定した。責任はない」とした。損害賠償請求については「(対象が)ライブドアなのか堀江被告個人なのかは未定。金額は売却の差額と考えてもらっていい」と話し、345億円を請求する意向を示した。
3月期決算で創業以来初の赤字に転落する可能性も指摘されていたが、フジでは保有する銀行株などを売却して、赤字は回避する方向だ。フジサンケイグループのオーナーだった鹿内家を追い出し、フジとニッポン放送のねじれ現象も完全に解消した日枝氏。グループトップの地位は今後も安泰のようだ。
[2006/3/17/12:23 紙面から]
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