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放送関係者のリレーコラム「ニッカン・フットボール放送局」

2005/8/29 バックナンバー一覧へ

グループ1位、だから価値がある

テレビ朝日アナウンサー:角澤照治

 ジーコ日本がW杯アジア最終予選の最終戦、イラン戦を2−1で制し、B組1位でW杯本戦に臨みます。勝ち点も1次、最終の合計で33(1次=18、最終=15)とアジア最多。堂々たる成績を収めたことで、自信をもってドイツで戦えると思います。

 イラン戦で実況を務めた私は決戦前日、イラン代表の練習を取材しました。そのとき、イラン報道陣から「日本はグループ1位突破にこだわっているようだけど、なぜ、そこまで重要視するのか、僕らには理解できない。すでにW杯出場は決まっているわけだから、それでいいじゃないか」と質問されました。

 イランの選手はもちろん、勝負にこだわっていましたが、取り巻くファンやマスコミは、W杯出場が決まった時点で満足しきっているようでした。日本との、この温度差は何だろう? しばし考えてみると、やはり、12年前の「ドーハの悲劇」にぶち当たるように思えます。

 93年10月28日、アジア地区最終予選のイラク戦のロスタイムで同点弾を許し、日本はほぼ手中にあったW杯切符を逃しました。あの屈辱があったからこそ、日本はその後、短期間で成長したわけで、あの悔しさがあったからこそ、選手、関係者だけでなく、ファンやマスコミまでも、最後の最後まで勝敗は分からないし、1試合も無駄にできないという気持ちがあるのだと思います。

 しかも、当時はアジアからの出場枠が2つでした。時は流れ、今は4.5枠まで広がりましたが、もし、12年前の規定のままだったならば、今回のイラン戦に勝たなければ、ドイツ行きはなかったわけです。

 時代は変わったのだし、1位だろうが、2位だろうが、出られることに変わりない、と言う人もいるかもしれません。でも、僕はそう思わない。アジア王者の日本が目指すのは世界。意識を高く持って臨んで欲しいし、ドーハの教訓を忘れないためにも、グループ1位で出ることに価値があると思っています。

 予選を終えて、これからいよいよ、W杯本番を見据えた戦いが始まります。9月7日にはホンジュラス戦、10月には欧州遠征(ラトビア戦、ウクライナ戦)が待っています。阿部勇樹(千葉)今野泰幸(東京)らアテネ組も入り、内なる戦いも始まっている日本代表が、本大会までにどんなメンバーで構成され、どんな強いチームになっているのか…。想像するだけで楽しみです。

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

角澤照治(かくざわ・てるじ)

 1971年(昭46年)3月11日、東京都生まれ。聖光学院−慶大を経て93年、テレビ朝日入社。アナウンサーとしてスポーツ実況のほか「報道ステーション」「やべっちFC」などを担当。

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