鈴鹿8時間耐久ロードレース

FIM世界耐久選手権シリーズ第5戦“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース

1987

優勝:マーチン・ウイマー、ケビン・マギー(ヤマハYZF750)

マギー組激走!大逆転V

 ◇7月26日午前11時半◇決勝(8時間)◇三重・鈴鹿サーキット(1周5・91198キロ)◇出走61台◇観衆14万3000人◇晴れ、気温34・4度

 ケビン・マギー(25=資生堂テック21レーシング・チーム)の激走が、ヤマハに初優勝をもたらした。3連覇を狙うガードナー、サロン組(ホンダ)が中盤でリタイアし、4大メーカーが入り乱れての大混戦を展開し、終盤はマギー、マーチン・ウイマー(29=西ドイツ)組と、ギャリー・グッドフェロー(26=ニュージーランド)、高吉克朗(24)組(ヨシムラ・スズキ)の一騎打ちとなったが、残り5分でマギーが高吉を捕らえて逆転した。人気の松本憲明(32)、藤原儀彦(20)組(梶ケ谷R)は9位の大健闘。

ガードナー組3連覇ならず

 夕やみのコース上を、マギーの黄色いライトと、高吉のブルーのライトが激しく交錯した。14万3000人の目を引きつけて離さない壮絶なデッドヒートだ。午後7時15分。8時間にわたる長く苦しい戦いも。残り15分となり、二人の差はちょうど10秒と縮まっていた。マギーの1周のラップタイムは2分21秒、高吉より2秒速く、じりじりと間合いを詰めていった。

 相棒のウイマーは、5月の西ドイツGP250CCクラスで転倒、左足首にボルトを入れたままスキーブーツで固定しての出場だ。しかも、平忠彦(30)の代役として急きょエントリーされた。ウイマーをかばって、マギーはもう1人で2時間近くを走っていた。その気迫が、プレッシャーとなって高吉を襲う。昨年の4時間耐久で優勝し、2階級特進したシンデレラボーイの高吉も、ついに残り5分、第2コーナーでスピードの出し過ぎで飛び出しストップ。マギーがあっさりと抜き去って最後の最後で見事な逆転勝利をものにした。

 今季からワークス活動を再開したカワサキを加え、序盤から4大メーカーの激しいバトルが展開された。午前11時30分のスタートから飛び出したのはヨシムラ・スズキのシュワンツ組。それを追ってカワサキのフィリス組。サミン組、4位にヤマハのマギー、5位に3連覇を狙うガードナーが続いた。1周2分19秒台とスプリントレース並みの展開も、5周目にガードナーがトップに立ち中盤まで独走を続けた。2位に1周近い差をつけ優勝への足固めかと思われた午後3時過ぎに、第2走者のサロンが転倒。ピット作業で再起したが、141周目にサロンが2度目の転倒、走行不能で泣く泣くレースを断念した。前半のハイペースと、34・4度気温、路面温度は50度という炎熱地獄の中で、上位チームが次々に脱落。61台でスタートしたレースは、午後7時半のゴールの時には、28台というまさにサバイバルレースだった。

 表彰台に立ったマギーは「相手はルーキーだったし、じわじわとプレッシャーをかけていけば、つぶれると思っていた」と、おいしそうに勝利のシャンパンを口に運んだ。相棒のウイマーは「マギーが頑張っていたから、ボクはタイムをロスしないように慎重に走ったよ」と、照れ笑いを浮かべた。その横で今回は、19日のフランスGPでろっ骨を骨折、出場を断念し、監督にまわった平忠彦が「チームとして勝ったのはうれしいけど、ボクも出たかった」と複雑な表情で言った。ウイマーのケガ、平の直前の出場とりやめというハンディを克服したマギーの爆走は、8時間耐久の王者にふさわしいものだった。【桝田】

順位 車番 第1ライダー 第2ライダー メーカー マシン 周回数
21 ウイマー マギー Y※ YZF750 200
45 グッドフェロー 高吉克朗 GSX−R750 200
26 コシンスキー レイボーン Y※ YZF750 198
モアノー レ・ビアン S※ GSX−R750 197
サミン クライン K※ GPX−750R 191
53 上田幸也 阿部孝夫 CBR600 191
31 ヴァーレンバーグ レイモン GPX750R 190
90 斉藤光雄 鈴木了 FZR750 190
100 藤原儀彦 松本憲明 FZR750 189
10 75 山名久 袴田利明 GSX−R750 189
優勝者の75%を走れば完走と認められるため、
8時間を走った車は28台だが30位までが条件を満たした。
H=ホンダ、Y=ヤマハ、K=カワサキ、S=スズキ。※はワークス


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