リオデジャネイロ五輪開会式が5日(日本時間6日)、華やかに行われた。各国選手団ユニホームをファッションデザイナー、ドン小西氏(65)がチェックした。<ドン小西氏ファッションチェック>

 順位を付ければ1位カナダ、2位英国、3位米国だけど、目立ったのはインド、中国、台湾があか抜けたこと。インドは民族衣装の要素を女性のスーツや男性のネクタイに取り入れモダンだった。中国の黄のジャケットと緑系のスカーフ、台湾は少しトンチンカンだけど蛍光色が大胆で、それぞれ国や地域の勢いが表れた。その点はモンゴルもね。他にポルトガル、ノルウェー、セルビア、チェコも挙げたい。全体的にレベルの差がなくなったね。

 国を代表するデザイナーやブランドが手掛ける上位3カ国やイタリアは、奇をてらわず着丈や素材などクオリティーにこだわっていた。これは最新の流行で、ファッションで急成長のブラジルもその流れだった。

 さて日本は…。52年前の東京五輪と何も変わらない。悔しいよ。ロンドンに続いて担当は高島屋か。カシミヤのマフラーを買いに行くのと訳が違う。百貨店は服を売る場所で発信点じゃない。どうやって決めたのか、きな臭いよな。

 東京はパリ、ニューヨーク、ミラノと並ぶ4大コレクション。「やっぱり日本は格好良いなあ」と思わせないと。コムデギャルソンの渡辺淳弥氏ら若い才能はある。国を代表する競技者とともに、あらゆる才能が集う場所なんだから、4年後はファッションにもチャンスをくれよ!!

 ◆小西良幸(こにし・よしゆき)通称ドン小西。1950年(昭25)10月9日、三重県生まれ。小西良幸デザインオフィス代表。91年に毎日ファッション大賞受賞。98年冬季長野五輪、00年シドニー五輪の公式服選考委員を務めた。