男子テニスで世界6位の錦織圭(26=日清食品)が、20年アントワープ五輪以来、96年ぶりのメダル獲得に向け絶好のスタートを切った。7月にツアー初優勝を遂げ波に乗る同33位のアルベルト・ラモス(スペイン)に6-2、6-4の79分でストレート勝ち。1度も自分のサービスゲームを落とさず「足も動いた。プレーの感覚がすごく良かった」と、テニスの五輪開幕戦を快勝だ。

 第1セットは2度相手のサービスゲームを破り、「大事なゲームでしっかりリターンを返せた」と6-2。第2セットは4オールから、レベルアップ。相手のサービスゲームを破り、そのまま6-4と突き放した。

 日本五輪最古のメダルが、20年アントワープ五輪で男子テニスのシングルスで熊谷一弥、同ダブルスで熊谷、柏尾誠一郎組が取った銀メダルだ。テニスは、24年パリ五輪を最後に88年ソウル五輪まで正式競技から離れたこともあり、日本テニスは96年もメダルから見放された。しかし、錦織は、これまで日本テニスの常識を覆してきた。五輪も「メダルを狙える位置にいる。チャンスはある」と、その負の歴史を変える。