<東京オリンピック(五輪):野球・日本2-0米国>◇7日◇決勝◇横浜スタジアム

日本が正式競技としては初めての金メダルを手にした。3回、チーム最年少21歳の村上宗隆内野手が先制ソロ。8回には貴重な追加点を奪うと、継投で無失点で守り抜き、1次リーグから今大会5戦全勝で世界一を決めた。メダル獲得は04年アテネ(銅メダル)以来、17年ぶり。稲葉篤紀監督(49)のもと、チーム一丸の戦いで侍が頂点に立った。重圧に打ち勝った稲葉監督は「みんなが頑張ってくれたし、テレビの前でたくさんの方に応援していただいた。みんなでつかんだ勝利だと思う」と感謝した。

先発した森下暢仁投手(23)が、大舞台で米国打線を封じた。1次リーグのメキシコ戦に続く先発で、5回を3安打無失点無四球5奪三振。1点リードの5回2死一、二塁の場面では1番アルバレスをカウント3-2から直球で遊ゴロに打ち取り、切り抜けた。殊勲の右腕は「立ち上がりうまくは入れたので、本当によかった」と安堵(あんど)した。先発が大役を果たすと、リリーフ陣も踏ん張った。千賀滉大投手(28)、伊藤大海投手(23)、岩崎優投手(30)、最後は栗林良吏投手(25)が締め、無失点リレーでスコアボードに0を刻んだ。

公開競技だった84年ロサンゼルス五輪で金メダルを獲得した日本だったが、その後は頂点から遠ざかっていた。正式競技となった92年バルセロナ五輪以降では、96年アトランタ五輪の銀メダルが最高。最後に野球が行われた08年北京五輪では4位に終わり、メダルを逃していた。3大会ぶりに野球競技が復活した五輪で、悲願の頂点へ。日本の侍たちがやった。

 

坂本 僕の夢の1つでもあったので、金メダルとれて感無量です。監督も試合前すごい緊張しているの感じていましたし、最後あれだけ喜んでもらえた顔を見て、頑張ってきてよかったなと思いました。

 

甲斐 苦しかったですね。でも、こうやってみんなで喜びあえて、本当にうれしいです。自分のプレーよりもね、チームが勝ったというのが一番。

 

▼日本が五輪の野球で優勝したのは公開競技だった84年ロサンゼルス五輪以来2度目。正式競技となった92年以降は初めて。五輪決勝の完封勝利は、00年シドニー大会の米国がベン・シーツ1人でキューバを3安打完封(スコア4-0)して以来、史上2度目。日本が主要国際大会(五輪、WBC、プレミア12)で米国を完封したのは初めて。稲葉監督は19年プレミア12に続く優勝。日本の監督では初めて主要国際大会を2度制した。