新型コロナウイルス感染が拡大する中開催され、賛否両論あった東京五輪の閉幕から一夜明けた9日、浅草寺(東京都台東区)にいた海外メディアからは大会を称賛する声が相次いで上がった。

24年パリ五輪を自国で迎えるフランスの報道カメラマンの男性は「日本人は大会の運営に協力的で、とてもいい大会だった」と高評価。1年の延期や新型コロナ対策など異例ずくめの大会だったが「今までのオリンピックと遜色ない運営だった」と日本側の五輪運営をたたえた。3年後に迫ったパリ五輪の開催は楽しみかと質問すると「ノン!」と否定し「パリっ子は日本人ほど協力的ではなく、これからが大変です」と心配してみせた。

東京五輪・パラリンピック組織委員会によると、大会関連の新型コロナウイルス検査の陽性事例は436人(国内在住者286人、海外在住者150人)だった。組織委はバブル方式は成功としている。メキシコのテレビコメンテーター、ギレルモ・シュッツさんは、五輪を通じて見た日本の感染症対策について「メキシコは日本よりもはるかに対策が遅れている」と比較し「パンデミックにもかかわらず、東京五輪でアスリートが試合ができたことに感動した」と話した。

ロシアのカメラマン、ファリオさんは「リオ五輪の時よりも優れていた」。チュニジアの記者は「信じられないほどよかった。無観客も問題なかった」。ポーランドのテレビ記者は「日本人はとても親切だった」と笑顔。おおむね、東京五輪の開催状況を好意的に捉えていた。【沢田直人】