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ディープインパクト初の海外レース・凱旋門賞特集

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インパクトぶっつけ本番響く/凱旋門賞

レイルリンク(左から2頭目)に差されたインパクト(左=撮影・山岸満)
レイルリンク(左から2頭目)に差されたインパクト(左=撮影・山岸満)

 インパクトは「ぶっつけ挑戦」が影響した。凱旋門賞で3着に敗れたディープインパクト(牡4、栗東・池江泰郎)の敗因については深い芝、斤量差、位置取りなど、いろいろ言われているが、欧州競馬特有のスローペースを経験していなかったことも、その1つとみられる。なぜ「天馬」は飛ばなかったのか。検証してみた。同馬は今日3日、帰国の途につく。

 「早いうちから先頭に立つ形も想定していた」。道中は外めの3番手の位置取りからレースを進めたディープインパクトは、直線入り口で先頭に立とうかという勢い。あっと驚かされた正攻法の競馬も、8頭立てで超スローの流れを読み切った武豊の中では想定内の作戦だった。

 唯一の誤算は、いつもの爆発力が見られなかったこと。「もう1つ上のギアが出なかった。本来の走りではなかった」(武)。凱旋門賞ではベストネームに騎乗し、インパクトの走りを間近で感じたペリエ騎手は「スローペースでの我慢比べが合わなかった」と敗因を分析する。今までに経験したことがない競馬に、馬も戸惑いがあったとしても不思議はない。武も「前半の走りに少し気負いがあった。(遅い流れに)慣れていませんでした」とコメントした。

 ヨーロッパ競馬特有の超スローな流れが、自慢の末脚を封じ込めた。武にとっては最善策と思われた作戦が裏目に出た形だが、もし前哨戦を使っていたら、結果は違っていたかも知れない。

 インパクトは非常に学習能力が高い。阪神大賞典でやや重の馬場を経験したことにより、道悪の走り方を覚えた。宝塚記念ではストライド走法からピッチ走法に変身。池江助手は「普段のチップの走りでも馬場状態によって走りを変える」と語る。1度でも欧州競馬のペースを体験していれば、大一番で対応できた可能性は捨てきれない。

 前哨戦の走り次第では、先行策を頭の中から捨て、本来の待機策に徹することもできた。相手関係や使える脚をみることで、より具体的に本番への作戦を練ることもできた。「インパクトなら伸びてくれるはず」。そう信じて手綱を取った武だが、心中には信頼と紙一重の手探りな部分もあったに違いない。

 ステップレースを使わずにぶっつけで凱旋門賞に向かうことは、ファンや競馬関係者の中でもさまざまな議論を生んだ。最大の懸念は体調面だったが、レイルリンクを差し返しにいったゴール前の粘りは、仕上がりに不安があってできるものではない。

 ぶっつけで臨む不安要素は、むしろ別の部分にあった。ヨーロッパの競馬を最後まで体験できなかったことが、インパクトの走りに微妙に影響したことは間違いない。

[2006年10月3日8時4分 紙面から]

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