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つばめとサンツェッペリン/ダービー日記

斎藤誠厩舎にあるツバメの巣。4羽のひなが飛び立とうとしている(撮影・和田美保)
斎藤誠厩舎にあるツバメの巣。4羽のひなが飛び立とうとしている(撮影・和田美保)

<ダービー取材日記>◇25日

 美浦は午前8時半から突然の豪雨に見舞われた。調教スタンドの外へ足を踏み出すか、どうしようか。迷っていると、ある人が「化粧が落ちるから女の子は大変だよね」と言ってきた。違う、違う。そんなことはどうでもいいの。足場が悪くて歩きにくいことと、洋服がぬれることがイヤなのだ。

 そんなバケツをひっくり返したような雨の中、サンツェッペリンの斎藤誠師に会った。「すごい雨ですねぇ」と話をしながら、ふと、あることを思い出した。「つばめが低く飛ぶと雨が降る」。そういえば、以前厩舎につばめが巣を作ったという話を聞いたことがあった。「あれ? まだ見ていなかった? 見においでよ」。取材が一段落して厩舎にお邪魔した。「こっち、こっち」。馬料庫に案内されると、どこからともなくピーピーと鳴き声が聞こえた。見ると、壁際に立派な巣があり、4羽のかわいらしいひなが顔を出していた。「1カ月ぐらい前からいるよ。今日、明日にも巣立ちそうでしょ」。斎藤誠師は、ひなを見詰めながら優しい目をして言った。何でも、現在の巣の前に1度作ったものが壊れてしまったらしい。それでもつばめちゃんはあきらめず、2度目に作った巣の中で新しい命が育っていった。斎藤誠厩舎の居心地が、よっぽど良かったんだろう。調教師をはじめ、厩舎スタッフは温かく成長を見守ってきた。そしてひなは、もうすぐ新しい世界へ羽ばたこうとしている。

 「いつも笑い声の聞こえる、部活みたいな厩舎があってもいいよね」。以前、斎藤誠師は厩舎の方針をこう語っていた。笑い声の絶えない、チームワーク抜群の斎藤誠厩舎。そんな輪の中で育ったサンツェッペリンは、グングン成長を遂げている。一生に一度の晴れ舞台で、大仕事をやってのけるかもしれない。【和田美保】

[2007年5月25日23時47分]

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