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山崎が地元G1初Vで全冠制覇王手/競輪

地元G1を優勝した山崎は、仲間か胴上げされバンザイ(撮影・酒井清司)
地元G1を優勝した山崎は、仲間か胴上げされバンザイ(撮影・酒井清司)

<いわき平競輪:オールスター>◇最終日◇5日◇G1

 4回転モンスター山崎芳仁(31=福島)が、豪脚まくりで地元G1&オールスターを初制覇。5年連続5度目のKEIRINグランプリ切符をつかんだ。準決でバンクレコードを塗り替えた山崎は、ファイナルでも最終2角7番手からフルパワーで発進し、完全Vで連覇を狙った武田豊樹ら強力ライバルをねじ伏せた。昨年8月の全日本選抜以来、通算7度目のG1タイトル獲得となり、来年3月の日本選手権でグランドスラムに挑戦する。

 怪物が初めて泣いた。過去6度のG1タイトル奪取でも涙を見せなかった男が「デビュー以来、こんなことは初めて」と、うれし涙が止まらない。引き金は待ち構えていた師匠の元選手添田広福氏(52=現中大自転車部監督)の一言だった。「やってきたことは間違っていなかった」。その瞬間に怪物の涙腺は決壊した。「最後は胃液を吐くまでのきつい練習に泣いた」という4年間の浪人時代を思い出し、直立不動で男泣きした。

 頂上決戦は山崎の独壇場だった。前受けから作戦通りに下げて、最終ホーム7番手。2角から踏み込んだ。3番手から先まくりを放った武田豊樹を大塚健一郎がブロックするのを確認して「外へ踏んで武田さんの動きに対応した。だからタイムは出なかったはず」。心憎いばかりの冷静さだった。準決でたたき出した上がりタイム10秒5のバンク新には及ばぬ、10秒9にも納得の笑みを浮かべた。

 「今年は無理かもしれない」と、追い詰められていたGP切符を手にすると同時に、史上4人目(過去は井上茂徳、滝沢正光、神山雄一郎)のグランドスラムに王手をかけた。残るは日本選手権のみだ。

 06年12月の地元全日本選抜はプレッシャーにつぶれて準決で敗退した。今回も「バンクは知り合いの顔ばかり。緊張で地元G1は勝てないと思っていた」が、そんな予感もパワーで打ち砕いた。車で3分の所にある遠くに打鐘が響くマイホームに戦いを終えた怪物が帰還した。ヒーローの視野の先にはGP初制覇とグランドスラム達成が映っている。【大上悟】

 [2010年9月6日12時11分 紙面から]


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