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メルベイユ逃走秋G1手応え/クイーンS

クイーンSを制したヤマニンメルベイユ(左)。右は3着フミノサチヒメ
クイーンSを制したヤマニンメルベイユ(左)。右は3着フミノサチヒメ

<クイーンS>◇17日=札幌◇G3◇芝1800メートル◇3歳上◇出走13頭(ザレマは取り消し)

 ヤマニンメルベイユ(牝6、栗田)が、北の大地で飛躍のきっかけをつかんだ。好スタートからハナを奪うと後続に影をも踏ませぬ逃げ切り勝ち。今年に入って急成長を遂げたメンバー最年長の遅咲き熟女が、意地を見せた。待望の重賞2勝目は秋の最大目標、エリザベス女王杯(G1、芝2200メートル、11月16日=京都)に向けて、大きなステップとなる。

 ユキチャンフィーバーのけん騒の中、2番人気ヤマニンメルベイユが一人旅を楽しんだ。スタートを決めると素早くハナへ。前半1000メートル通過は60秒9。絶妙のペース配分でリズム良く走ると、もう後続は手も足も出ない。4コーナーから早めに動いてそのまま押し切った。時計は1分48秒1。桜花賞馬レジネッタの末脚もかすむほどのスパートで、2馬身差をつけた。

 愛馬を抜群のエスコートで2個目のタイトルへ導いた柴山騎手は「包まれると嫌がるので、行く馬がいなければ行こうと思った。2コーナーくらいで、これはいいと感じた。落ち着きが出て精神的に成長してくれた。これで先々が楽しみになった」と、その先にある将来さえも口にした。

 6歳を迎え本格化した裏には陣営の努力があった。以前は、精神的なもろさを抱え力を出せなかった。旋回癖があり、輸送すると馬房でその癖を出し、レース前に体力を消耗した。そこで陣営はひもでつないで固定し、我慢することを覚えさせた。栗田助手は「やれることはやってきた。馬もそれに応えて成長してくれた」。3月の中山牝馬Sで待望の重賞を制覇し、5月のヴィクトリアマイル4着につなげた。

 以前、短距離G1・2勝のトロットスターを手がけた担当の茂木厩務員は、函館からの輸送を心配し、前日は寝ずに馬房の前で愛馬を見守るなど、飛躍の手助けを惜しまなかった。愛馬はその心配をよそに落ち着き払い、以前は輸送するとカイバを食べない馬が全部平らげるなど別馬に変身していた。同厩務員は「落ち着いて強い競馬だった。秋への手応えを感じた」と笑みを浮かべる。

 今後は実りの秋に備えるため、錦岡牧場(北海道新冠町)に放牧に出される。秋は府中牝馬Sなどをステップにエリザベス女王杯に向かう。栗田助手は「秋に向けていいスタートが切れた。大きいところを狙っていきたい」。牝馬の頂点を狙う新たな戦いが始まる。【松末守司】

 [2008年8月18日8時18分 紙面から]


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