ブエナビスタ猛時計&強気会見/桜花賞
<桜花賞:追い切り>
女王ブエナビスタ(牝3、栗東・松田博)が最初の1冠に向け、迫力の最終リハを終えた。栗東Dウッドコースで末いっぱいに追われ7ハロン98秒1、ラスト11秒6の好時計をマーク。3歳牝馬とは思えぬ性能を見せつけた。G1恒例の共同記者会見に登場した松田博資師(63)は、過去に例がないほど、これでもかと強気のコメントを並べ上げた。桜花賞3勝目を狙う安藤勝己騎手(49)も自信たっぷり。まさに1強ムードの桜花賞だ。
かつてないほど、自信に満ちあふれた共同記者会見だった。ブエナビスタの松田博師は、ずらり並んだテレビカメラの前で、強気の言葉以外は発しなかった。
「1番人気? 能力的に仕方ないと思う」。
Dウッドでの最終追い切りは、ラスト1ハロンを目いっぱいに追う厩舎のパターン。カルカソンヌ(3歳500万)フロムジオリエント(3歳未勝利)の2頭を目標に、直線に入ってスパートをかけた。直線入り口では並ぶ間もなし。一瞬で2頭を突き放すと、最後に左ステッキが2発。7ハロンの長めから追って11秒6のフィニッシュは3歳牝馬のレベルを超えている。ただうなるしかない。
「いつも通りです。指示も出していないし『いつも通りやってこい』とだけ言った。変わりないです」。
わずか1分ほどのやりとりの間に、松田博師の口からは「いつも通り」という言葉が何度も出た。特別なことは必要ない。普通の状態で出走できれば、負けるはずがない。この中間、陣営が貫いている姿勢。1つ1つの言葉から、確信に近い手応えが伝わってくる。
「順調に行ってくれればそれでいい。悪くなるのは1日で悪くなるが、良くなるのは時間がかかる。良くなっているとは思うし、力もついている。この前より落ち着きも出てきた」。
阪神JFとチューリップ賞で見せた圧倒的なパフォーマンス。あれだけの能力の違いがあれば、作戦などを立てる必要もない。
「内枠は心配だけど、引っ張って1番後ろから外を回ればいい。それで間に合うと思うし、他の馬に迷惑をかけないように」。
こんな強気な共同記者会見は聞いたことがない。詰め掛けた報道陣も、もはや笑うしかない状況だ。
早くも歴史に残る名牝という声が上がっている。インタビュアーから、厩舎の先輩である2冠馬ベガとの比較を問われると、同師は「時代も違うし脚質も違うから。比較にならない」と一蹴しながらも、最終的に高い評価を下した。
「ブエナの方がしまいがしっかりしているので、安心して見ていられる」。
さらに、比較対象は名牝を超えて、平成最強と言われるあの馬へ。
-女ディープインパクトという声もあります
「そんなところと違いますか」。
あっけにとられるインタビュアーをよそに、トレーナーは余裕しゃくしゃくの表情だった。
最後は「1つずつ取っていかないと」と謙虚に締めくくってみせた松田博師だが、「自信」「手応え」「期待」以外は伝わってこなかった。恐らくはG1史上最高の強気会見。ブエナビスタの規格外の強さが、また1つ浮き彫りにされた。
[2009年4月9日8時37分 紙面から]
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