松岡惚れたイサベル大外一気/新潟2歳S
<新潟2歳S>◇5日=新潟◇G3◇芝1600メートル◇2歳◇出走17頭
9番人気マイネイサベル(牝、水野)が、大外一気の差し切りで新潟2歳チャンピオンの称号を手に入れた。松岡正海騎手(26)がデビュー前から「いい馬」とほれ込んだ逸材で、暮れの阪神JF、来春のクラシックへ期待は膨らむ。開業5年目の水野貴広師(37)は重賞初制覇。新種牡馬テレグノシスは同期デビューのディープインパクトを抑え、最初の重賞ウイナーを送り出した。
松岡は信じていた。マイネイサベルの強さを。「走ると思っていたからね、順当」。当然のように胸を張り、笑った。
人気のクリーンエコロジーが折り合いを欠いて先頭に立っても慌てない。「まだ長くは真っすぐに走れない」。好位にいたイサベルに無理をさせず、中団で最後まで追い出しを待った。左ステッキで愛馬を鼓舞したのは残り300メートル。そこからメンバー2位タイの33秒5の脚を引き出して、まずはディープインパクト産駒レッドセインツをかわすと、同じ勝負服のマイネルラクリマも差し切った。引き揚げてきた松岡は、右手の人さし指を突き上げて堂々と「この馬が1番」と言わんばかりにアピール。「4角では手応えよく進んでいたので勝てるかなと思った。すごくいい馬。将来性十分だと思う」と振り返った。
「何で人気がないのかなと思った。初戦も七分くらいの出来で勝ったくらいだからね」と、あん上はしきりに不思議がる。単勝9番人気、3連単は86万馬券と大荒れの決着で、はた目には人気薄の大駆けに見える。が、ジョッキーはその素質を見抜いていた。入厩直後、美浦トレセンで遠目から見て「ああ、いい馬だな」と感じたのがイサベル。マイネルの主戦を務める松岡だが、当時は名前すら知らなかった。まさひと一目惚れだった。
デビュー予定だった牝馬限定の新馬戦では先に騎乗予定が入っていたため、陣営に申し入れて牡馬相手の芝1400メートルでデビュー。着差は鼻差だったが、仕上がり途上での勝利に一層自信を深めた。この日、下馬するなり「オレ、見る目あるわ~」と思わず口をついたのもうなずける。新潟リーディングは逃したが、夏を締めくくるこのレースはジョッキーのシナリオ通りの結果だった。
これで阪神ジュベナイルF(G1、芝1600メートル、12月12日=阪神)へも視界が大きく開けた。「まだ八分くらいしか完成されていないからね。距離もある程度のところまでなら」。松岡をとりこにしたイサベルは、新潟のファンも魅了したに違いない。【山本幸史】
[2010年9月6日7時46分 紙面から]
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