<国際親善試合:日本5-1ウズベキスタン>◇3月31日◇味の素スタジアム

 攻撃陣が結果を出して大勝にわくハリルジャパンにあって、守備面では随所にほころびが見えた。元日本代表DFでW杯に2度出場した「守備のスペシャリスト」秋田豊氏(44)が、その問題点を指摘した。

 守備面で細かいほころびが見えた。失点場面もそうだったが、長くセンターバック(CB)でプレーしてきただけにセットプレーでCB陣が相手のマークにつき切れない場面や、そのズレがとても気になった。

 ここまで進歩を遂げてきた日本サッカーが抱える課題の1つにCBの育成がある。そう強く感じている。昨年のW杯ブラジル大会でもほころびが出た部分だ。Jリーグは私がプレーしていた当時と違いCBが育ちにくい環境になっている。当時は相手FWにエムボマ、スキラッチ、カレカ、ストイコビッチら世界的な評価を得た大物がいた。毎週のようにやり合うことで、世界レベルを肌で感じて成長できたが今は違う。日本人FWも次々と海外に活躍の場を求める流れがある。この難しいテーマをハリルホジッチ監督に代表レベルから解消してもらいたい。

 指揮官が率いていたアルジェリアはW杯ブラジル大会で堅守をベースに、うまく戦い方を変えながら結果を出した。それだけに、確かな手腕があるとみている。就任からまだ2試合。時間もなく守備面は手つかずなのだと思うが、やはり勝負のベースとなるのはゴールに近い最終ラインの働き。今後、守備の際の体の使い方、マークの付き方、相手FWとのラインの駆け引きなど、細かい部分をたたき込んでもらいたい。(日刊スポーツ評論家)

後半37分 日本の失点シーン
後半37分 日本の失点シーン